「ViVi」(講談社)専属モデルの嵐莉菜(17)が映画初出演&主演を務め、ベルリン映画祭ジェネレーション部門に正式招待された日仏合作映画「マイスモールランド」(川和田恵真監督、5月6日公開)が18日までに、アムネスティ国際映画賞スペシャル・メンション(特別表彰)を授与された。

アムネスティ国際映画賞は、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルが、ベルリン映画祭の全部門の作品から人権問題をテーマにした作品に対して2005年(平17)から授与しているもので、邦画は初めて。嵐は「初めて主演を務めさせていただいた作品で、この大好きなチームで作り上げた作品を評価いただけたこと、本当に本当に光栄です!!」と喜んだ。

「マイスモールランド」は、クルド人の家族とともに幼い頃から日本で育つ17歳のサーリャが、あるきっかけで在留資格を失い、同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていた自身と、家族の日常が一変してしまう。そんな過酷な環境の中、東京に住む日本人の少年・聡太との出会いをきっかけに、アイデンティティーに葛藤しながらも成長していく物語。是枝裕和監督(59)率いる映像制作者集団「分福」の新人・川和田恵真監督(30)の商業デビュー作で、嵐が主人公のサーリャを、20年の映画「MOTHER マザー」で俳優デビューした奥平大兼(18)が聡太を演じた。

日本、ドイツ、イラン、イラク、ロシアの5カ国のルーツを持つ嵐は「人種や民族に関する問題は、形を変え、世界中どこでも起こっていると思います。この映画を見て何か関心を持つきっかけになってもらえたらうれしいです」と作品の意義を強調。奥平も「日本に住むクルド人の方々について、僕は演者としてこの映画に関わらせていただいて、初めてしっかりと考えることができました。そして映画として作品にするのはとても難しいことだと感じていました」と出演したことでクルド人に関心を持ったと語った。その上で「それがこのようにベルリン映画祭の舞台で評価していただけてとてもうれしいですし、これが、より多くの方々に見ていただけるきっかけになれば良いなと思います」と授与を喜んだ。

アムネスティ国際映画賞は、審査員らの高評を交え「私たちは今回の栄誉ある授与について『マイスモールランド』は、世界中で起こりうる出来事を力強く語った映画作品だと思いました。難民への非人道的な扱いを批判しながら普遍的テーマを描いています。作品から学ぶことが多く、ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います」と公式発表した。それを受けて、川和田監督は「世界中の人々の人権のために活動されているアムネスティ・インターナショナルより『マイスモールランド』の普遍性や力強さを評価いただけたこと、大変うれしく思います。国籍を問わずより多くの人々に、この作品が届くきっかけになることを願っています」と授与を喜んだ。