19年6月に血液のがんの一種、症候性多発性骨髄腫と診断され闘病中の漫才師、宮川花子(67)が23日、医師と患者のコミュニケーションを促進する「こころと話そうプロジェクト」へ向け、「負けてたまるか」などとメッセージを寄せた。この日は、患者の家族を代表して、夫で相方の宮川大助(72)が登壇。花子は化学療法などを経て、3月半ばに寛解状態となっているが、今後も定期的な投薬治療は続くことなどを伝えた。

あわせて、同じ病と闘う“仲間”へ向けての花子のメッセージが発表された。

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同志の皆さん、と言っても、治療法、状態それぞれ異なり

さまざまではありますが、苦しい思いは大なり小なり同じでしょう。

一番の恐怖はせっかく寛解しても、また、いつ再発するか…

幼い子供がいる方は「この子の小学校の卒業式まで見てやれるかな」とか

息子、娘が結婚するまで、イヤせめて孫の顔を見るまで…と

自分のタイムリミットを決めてしまう。

こんな私も口に出せないが(家族が心配するので)

ああもう3年たったか、あと残り…とか考えてしまった時もあった。

でも医学、科学は日進月歩に進んでいる

その間にもいい薬、よりよい治療法が出てきている

主治医と相談の上、自分を信じ頑張ろう

闘っているのは自分1人じゃないから

自分の身体 人生を粗末にしてはいけない。

いろんな障害がある中、私たちは「多発性骨髄腫」と向き合っている、はっきりしている。

ただ闘うべきものがあるとは言うものの、負けるわけにはいかない。

そうだ。同志のみなさん 弱音を見せるな 闘っていこう 励まし合おう!

こんな苦しい思いをしてるんや 負けてたまるか!!

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今プロジェクトは、多発性骨髄腫の患者と、医師側の信頼関係を築こうとするもので、その一環で「少し先の自分に手紙」を書く試みがある。またこの日、花子が「少し未来の自分」へ記した手紙も公開された。

その“手紙”には、闘病を始めた当初は「握力ゼロ」で、手を握ることもできなかったとし、リハビリを経て少しずつ握力が戻り、ペンを持てるようになったと吐露。実際、現在は10キロほどまで握力も回復し、趣味の手芸も再開している。

足のリハビリは痛みとの闘いでもあり「痛みと苦しみの連続だった日々から、すこしは解放されているとイイですが…きっとあなたの事だから、それも笑って乗り越えてきたんだと思う」と記載。自力歩行への意欲を、あわせて描きこんだ絵とともににじませた。

ただ、折しも、コロナ禍との闘いもあり、近い将来を思い「コロナも終息して、今は映画を見て、楽しくショッピング、お芝居見て、食事会。仲間とわいわい騒いでいるんでしょうネ」。闘病前の日常を書き込み、復活への思いを表現した。

車いすでの移動ではあるが、達者なしゃべりの「花子節」は健在で、講演活動へのオファーは相次いでいる。花子は、そんな現況を理解し、少し先の未来へ「お仕事、講演会にて、病気体験談、自慢げに話しているんでしょうね」とつづっていた。