ダチョウ倶楽部がブレークするきっかけとなった「お笑いウルトラクイズ」の放送作家で、上島さんとも交流のあったお笑い評論家の西条昇・江戸川大教授(57)は「信じられません。竜兵さんの芸風や笑顔と結び付きません」とショックを隠せなかった。

上島さんを「礼儀正しく、周囲に気を使う人。それがサービス精神につながった」と評する。番組ロケ終了後に一緒に飲みに行った際もサービス精神が旺盛だったという。「服を脱いで、全裸になっても、テーブルにあった15センチほどの灰皿1つで局部は絶対に見せない。見せないことでも気を配っているんです」。

ポール牧さんと由利徹さんが雑誌で対談した際も、4人で同席したことがあったという。「上島さんらはずっと正座していて、ポールさんに振られるまで、絶対にしゃべらないんです。目上の人への礼儀を本当にわきまえていました」。

ビートたけしや志村けんさんなど大物からかわいがられ、後輩からは慕われた。「後輩に自分をツッコませ、後輩を伸ばしました。土田(晃之)くんも有吉(弘行)くんも竜兵さんにツッコむことで練習していったのでしょう」。

志村さんからは特にかわいがられ「肥後さんは志村さんがボケた時のツッコミ役で、上島さんは志村さんにツッコまれるボケ役でした。志村さんが亡くなった後も、明治座ではダチョウ倶楽部が座長公演をやっていました。ただ、王道の喜劇をやる場が少なくなってきたことは確かです」。

ダチョウ倶楽部はリアクション芸、キレ芸、スベリ芸などを確立。そして、どんな芸人とも相性がよかった。「上島さんとどうからめばいいのか、みんなが分かり、それでいて受ける。独自のポジションを築きました」と評価するも、喜劇役者特有の内面についてもおもんぱかる。「ポールさんもそうでしたけど、表には見せない面も持っているのでしょう。そこはわかりません。今は、ご冥福をお祈りしたいです」。

 

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