中井貴一(60)が企画・主演を務めた映画「大河への道」(中西健二監督)初日舞台あいさつが20日、東京・丸の内ピカデリーで行われた。舞台あいさつの最後に公開を記念して鏡開きが行われたが、スチールカメラ向けのフォトセッション時に、俳優陣が手に持った木づちを打ち降ろすかのように構えたところ、勢いでたるを割ってしまうハプニングが起きた。

司会の青木源太アナウンサーは「おっとぉ~! これは割れてしまいましたが…」とスポーツ実況ばりに“生中継”すると、和田正人(42)は「割れてないです!!」と完全否定。すかさず、同アナが「何が起きましたか? リポートをお願いします、現場の和田さん!」と振ると、和田は「何も起きてません! 撮らないで!!」と慌てて取材陣に呼び掛けた。これには、松山ケンイチ(37)北川景子(35)と岸井ゆきの(30)田中美央(47)も笑うしかなかった。

「大河への道」は、立川志の輔の新作落語「大河への道-伊能忠敬物語-」が原作。千葉県香取市では地元を盛り上げるために、郷土の偉人「伊能忠敬」を主役にした大河ドラマの開発が進むが、1821年(文政4)に史上初の日本地図を完成させたのは、あの伊能忠敬ではなかった、という驚くべき新事実が発見される。では一体、初の日本地図は誰が、どのように作ったのか。そこには、歴史に埋もれてしまった秘話が隠されていた物語。映画では、前途多難な大河ドラマ実現を描く現代の喜劇と、200年前の日本地図完成に隠された感動秘話を描く時代ミステリーの2つでドラマが描かれる。

中井は「企画から入り6年の月日が流れ…今、皆さんのお顔を拝見し、ホッとしております」と観客に呼びかけた。その上で「時代劇というものが少なくなってきて、テレビも民放では放送しなくなって、時代劇というより京都の撮影所、知識を残さなければいけないと考えていたが、お客さんに見ていただいてからの話。こうやったら、ご覧いただけるだろうかと考えたら、志の輔さんの落語があった」と企画成立の経緯を感慨深げに語りつつ、時代劇の必要性を訴えた。