2018年2月に急逝した大杉漣さん(享年66)の長男で写真家の大杉隼平氏(39)が16日、インスタグラムを更新。生まれてくる自身に向けて、当時31歳だった父がつづっていた言葉を公開し、亡き父をしのんだ。

隼平氏は「父、大杉漣が31歳の時に残してくれていた言葉。自分が生まれる前だ」と、父からのメッセージが書かれたノートを公開。「愚の心配」と題されたその文章は、「真っ黒な世があっても お前だけはまっくろにならず これが親の心配であろうと お前は親を超えるだろうとも いつか悲しみも喜びも遠くからながめる 時が来ても 育つのだ 一枚の風として 一本の荒地の木として 隼平へ」とつづられている。

隼平氏は「31歳が残したその言葉。そして『見る前に飛べ』とよく言っていた。最後に会った時、父は『いつか隼平が徳島を撮り伝えてくれたらな』と言っていた」と回想。隼平氏は亡き父の“遺言”通り、漣さんが生まれ育った徳島県の魅力をカメラに収めてきた。

「あの日から時は流れた。徳島を撮り、徳島を伝えたい自分がいる。それは徳島で過ごした時間の中で多くの出会いがあったから」と、写真展覧会の開催や、写真集を出版する意向を示し、「なにもないと言われ、多くの人がなにもない。と言う徳島には素晴らしい豊かなもの、技術があります。徳島を伝えたい。その想いを結集したいと思います」と隼平氏。「どこかで見ていて下さい」と、亡き父に語りかけるようにつづった。