女優泉ピン子(74)が3日、朗読劇「すぐ死ぬんだから」(4日初日)の通しげいこを東京・豊島区のあうるすぽっとで行った。6月に脚本家橋田寿賀子さんの遺骨の一部を海洋散骨して以来初めての会見。「今も一緒。『千の風で、あんたの周りをうるさいくらい回ってやる』と言っていましたから、今も見守ってくれている」と話した。

これまでの会見などで、遺骨は橋田さんの最期をみとったピン子が火葬の際に「特別に分けてもらったもの」とし、6月15日に散骨した際には「涙が止まりませんでした」などとコメントを発表していた。

この日、ピン子はあらためて「散骨は終わった。過去。うちに骨はないし、前を見ています」と語り、「毎日写真に水をあげていたが、コップも洗ってきれいにしてきた。自分の人生を前を向いて歩いていく」「いつも千の風であんたの周りをうるさいくらい回ってやるといっていたので、亡くなった時にお手伝いさんたちと千の風を歌ったの」と振り返った。

本作は、ピン子が「夢だった」という朗読劇に初挑戦する話題作で、夫の死後に愛人と隠し子がいることを知った妻のプライドを演じる。この日の通し稽古では、漢字の読み間違いが数カ所あったことに「悔しい」を連発し「芸歴55年でもあがるんだな」としみじみ。前日は緊張で何度も目が覚めたとし「生まれて初めての経験で、きょうは怖かった。新人のような気持ち」と語った。

共演の村田雄浩(62)も「簡単な漢字を読み間違える」と苦笑い。「朗読劇はせりふを覚えちゃうと新鮮さがなくなるので、きょうみたいな失敗があってもいい」と語ると、ピン子は「失敗したくない。私、やだ」笑わせていた。