宝塚歌劇団の星組人気スター極美慎(きわみ・しん)が8日、兵庫・宝塚バウホールで、初の主演作「ミュージカル『ベアタ・ベアトリクス』」の初日を迎えた。

舞台は19世紀半ばのイギリス。画家で詩人、ロセッティにふんし、人間味あふれる半生を表現した。

極美は14年入団の100期生。4年目の「ベルリン、わが愛」で、100期初の新人公演主演に抜てき。175センチ長身と華やかなルックスで、早くから注目されてきた。男役10年を目前にした9年目で、初のバウ主演となった。

今作は、因習にとらわれる美術観を打ち破ろうとした画学生ロセッティが仲間と創作活動を始めるところからスタート。街で出会った娘リジーと恋に落ち、理想を求めて創作に乗り出す。だが、その過程で圧倒的な画力を持つエヴァレットへの嫉妬心もあって、仲間との関係にヒビが入り、人生の歯車が狂っていく。

極美は夢にあふれる学生から、仲間との決裂、愛を失い、夢に破れる姿を熱演。恋人リジーは、極美より1期先輩の小桜ほのか、神童と評された画学生エヴァレットは、7年目で新人最終学年の天飛華音(あまと・かのん)が好演。ロセッティを支える友人ウィルは碧海さりおが達者に芝居を運んだ。

開幕前日の7日夜には、同劇場で通し舞台稽古が行われ、最終確認を終えた極美は「ここまで導いてくださりました関係者の皆さん、ありがとうございます」とスタッフに感謝。「明日からの本番、千秋楽まで、どうぞよろしくお願いいたします」と誓い、開幕に備えていた。

公演は同所で19日までの予定。