映画「零落(れいらく)」(竹中直人監督、3月17日公開)の完成披露プレミア上映会が8日、都内で行われ、主演の斎藤工(41)趣里(32)玉城ティナ(25)らが登壇した。

漫画家の残酷なまでの業を描いた、漫画家浅野いにお氏の同名コミックを実写化。竹中がメガホンをとるのは10作目となる。

斉藤が演じるのは主人公の元人気気漫画家の深澤薫。次回作のアイデアが浮かばず敗北感を募らせ、妻とはすれ違いが続き、自堕落で鬱屈(うっくつ)した日々を過ごしていた時に風俗店を訪れ、趣里演じる、猫のような眼をしたミステリアスな女性ちふゆに出会う。元人気漫画家が手にした堕落への片道切符を描く。

斎藤は「自分の内臓を描いてくれた作品で、衝撃的な作品です。演じる方程式とは違うベクトルで作品に向かい合えました。言語化するのは難しいですが、共演者に反射して描かれていると思います」と話した。

浅野氏の原作を手にした竹中監督が、すぐに映画化したいと動いたという。竹中が監督した映画「ゾッキ」の宣伝活動の後、斎藤と2人で飲食店に入り、「零落」の映画化を話したという。「すると、工が『大好きなんです』と、応えてくれました。深澤をやるって聞いたら、応じてくれて、一気に話が進みました」と振り返った。

趣里は「浅野作品の女の子を演じることができて光栄です。でも、熱烈なファンの方がいるので、プレッシャーでした。斎藤さんや竹中監督にゆだね、すてきな現場になりました」と話した。