心のふるさと、富士山

 

ゴールデンウイークも、はや後半。みなさんいかがお過ごしですか? 今年は遠出した、あるいはこれから遠出するという方も多いのではないでしょうか。

私は先日、地元の山梨に帰省しました。祖父母の卒寿と米寿のお祝いに親族が集まり、富士山のふもとにある富士河口湖町で1泊し、楽しいひと時を過ごしました。ただ1つ残念だったのは雨が降っていて富士山が見えなかったこと。私にとって富士山は心のふるさとだからです。

私の実家は富士河口湖町から1時間ほど離れていますが、それでも富士山の「腰から上あたり」を眺めることができます。なので、小学校から中学、高校、大学まで思い出のかたわらにはいつも富士山の存在がありました。特に下校時、夕暮れに染まる富士山は、ふたつと同じ表情はせず、そこに帽子のような、かさ雲がかかるとなんともきれいでした。

ただ、富士山が心のふるさとだと実感するようになったのは新潟に越してきてからです。初めての帰省のとき、長野との県境の山を越えて見えてきた富士山の姿は、これまでの富士山とまたひと味違っていたのです。一言でいうならば「母なる富士」。不動のその姿は、まるで「おかえり」と言ってくれているようでした。堂々たるたたずまいと、凜(りん)とした美しさ。富士山が日本のシンボルとして世界にも親しまれていることが、とてもうれしいです。

新潟からは少し遠いのですが、お出かけの場所が決まっていないという方は、ぜひ雄大な富士山を近くから眺めてみてください。富士山はきっとあなたにすてきな言葉をかけてくれるはずです。(新潟テレビ21アナウンサー)