山崎育三郎(37)主演のミュージカル「ファインディング ネバーランド」(15日初日、東京・新国立劇場中劇場など)のゲネプロが14日、同所で行われた。

「ファインディング ネバーランド」は、名作「ピーターパン」の作者である劇作家ジェームス・バリが主人公。スランプから抜け出せない中、濱田めぐみ(50)演じるシルヴィア・デイヴィスと4人の子供たちとの出会いを通じて物語を書き上げ、劇場で「ピーターパン」を上演するまでを描いた実話に基づく物語。

ゲネプロを前に囲み取材が行われた。バリを演じる山崎は「役の葛藤、思いが『ピーターパン』の物語とマッチする瞬間があって、ラスト15分間は何度やっても自分の心が震え、涙をこらえるのが大変なくらい、美しい」と熱っぽく語った。濱田は「1幕のラストに、バリとフック船長が出てくるシーンがある。とにかく、すばらしくて、面白くてワクワクする」と続いた。

12年に「ピーターパン」を演じて以来、12年ぶりにフック船長を演じる武田真治(50)は、劇場主のチャールズ・フローマンとの2役を演じ分ける。フック船長は、山崎演じるバリの”影の部分”として脳内で語りかける役どころで、山崎とはゲネプロでも激しい芝居のぶつかり合いを見せた。武田は「本当に、ミュージカルのトップランナーの奇跡の共演。このおふたりの歌声が鳴り響くシーンは、どれも見どころ」と、山崎と濱田の歌声を絶賛した。

作品を通して伝えたいテーマは? と聞かれると、山崎は「この作品に出会って、改めて自分にとって一番、大切なものに気付かされた」と熱く語った。「自分が12歳の時に初めてステージに立った時のことを思い出したり、観客の皆さんにとって自分の原点に返ることが出来る、人生に重ね合える作品。初心に返ることが出来る作品」と語った。

濱田は「舞台でも、よく使われるイマジネーションという言葉が印象的。イマジネーションの大切さ、面白さに着目してみていただけると、面白いのではないか?」と続いた。武田は「常識にとらわれるなということかなと。決して非常識であれということではないですが…」と、まず切り出した。その上で「当時の英国演劇界では考えられないような、ファンタジー作品に着手する…常識にとらわれなかったことで、バリは現時点で100年以上、語り継がれるような物語を書き上げた。この作品を見て、自分は常識にとらわれているのではないか? と見つめ直す、きっかけになり得るのではないか?」と作品と主人公バリの置かれていた立ち位置を踏まえ、自らの主張を展開した。

公演への意気込みを聞かれると、武田は「演じる度に、自分たちもエネルギーを得る作品。エネルギーは、観客の皆さまにも伝わると思う。観劇いただき、もしかしたら、ここ数年のコロナ禍で諦めた夢や、やらなかったことに挑戦しようと思える作品。元気をもらいに来てください」と呼びかけた。

山崎は「もう、本当に、こんな作品を待ってました! というくらい大好きな作品になりました。演劇でしか作り出せない、奇跡のステージが出来上がっていますので、ぜひ会場で体感していただきたい」と訴えた。