劇団新派の女優波乃久里子(77)の主演舞台「新編 糸桜」(10月12~13日、東京・日本橋公会堂)が1日付で発表された。歌舞伎の名作者、河竹黙阿弥の娘を描いた作品で、脚本、演出は、劇団新派文芸部の齋藤雅文氏。同氏が立ち上げた演劇ユニット「新派の子」の錦秋公演として上演される。ほか、日本舞踊の尾上菊之丞、元宝塚歌劇団宙組トップの大和悠河らが出演。

「糸桜」は齋藤氏が波乃に当て書きして、16年に初演された。黙阿弥の作品を守るために奮闘する娘を描いた、涙あり笑いありの物語。17代目中村勘三郎さんを父に持つ波乃とも重なり、見る人に深い感動を与え、21年に再演。今回は、新編として上演する。齋藤氏は「決定版をお送りします」と話している。

波乃は「この『糸桜』というすてきな作品に出会えたこと、感謝しかありません。役者冥利(みょうり)に尽きる、この上ない幸せです。全身全霊で『糸桜』と向き合います」とコメントしている。