お笑いコンビのロッチが2、3日、単独ライブ「ジロジロッチング」計3公演を東京・丸ビルホールで開催する。発売開始1週間でチケットは全席完売で絶好超。今年で14年連続15度目の開催となる。中岡創一(45)とコカドケンタロウ(44)が結成19年目で迎えた新境地について語った。【取材・構成=高橋洋平】

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今年もロッチの季節がやってきた。コロナ禍中の20、21年は都の緊急事態宣言の時期に当たらず開催できた。今年で15度目となる。

コカド お客さんが集まってくれないとできないですし、体調も万全じゃないとできないですし。15回できてるって、今となって振り返ったらすごい。ロッチすごいなと思いますね。

中岡 コロナもくぐり抜けてきてる。いろんな人たちは断念してたんですけど、僕らはタイミングよくて。(20、21年の)10月だけ緊急事態宣言がなくて。一番ゆるい時期にやれた。それをくぐり抜けたというラッキーさがあるというか。

ここ数年はオール新作コントのみで臨んでいる。ロッチの新作コントを見るには単独ライブに足を運ぶしかない。

コカド 新作コントは単独ライブだけで出すようにしている。まとめて年1回で。その中からテレビに向いているやつとかを下ろしていく感じですね。だからそこでしかやらないことになったりするのが、いっぱいあります。

単独ライブ後、お蔵入りするネタも多いという。

コカド 今だからYouTubeとかもあるからそこで出せたりはするけど、生で、実際僕らがやるってなったら、その時だけのネタの方が多いのかな。

結成19年目を迎え、新境地にたどりついた。

中岡 若手の頃、8本中1本ぐらいネタですべるのは、それはちょっとダメやったんですよ。ロッチのネタを見に来て、1本笑えへんって、どういうことやねんって思われるかなっていう恐怖みたいなんがあって。

その恐怖を乗り越えられる経験値が今はある。

中岡 今は余裕があるというか。終わった後に1本、お客さんが『あれ、ちょっとすべってましたよねって』って笑ってくれるみたいな。昔は多分、それで自分らをイジれなかった。余裕がなかったから。経験ですね。

コカド まあ単独ライブやから、こんなんもあってもいいかなと思うんですね。意図さえ伝わればね、こういうことしたかったよなって。全部が普通に笑いを取りに行くのじゃなくてもいいのかなと思う。

コンビともに活動の幅を広げている。中岡は今年、WBC世界一に立ち会った。コカドは趣味のミシンに熱中。手作りバッグのプレゼント抽選会を今年も実施する。

中岡 WBC優勝のこの年、(ファンの)阪神おそらく優勝のこの年、あの年にあった単独ライブも最高だったなと思えるように頑張りたい。

コカド 今後は15回も多分できないので、ここからは1年1年、本当にいつ今年で終わってもいいぐらいの感じで。