失語症を理由に昨年3月に俳優を引退したブルース・ウィリス氏(68)と元妻で女優のデミ・ムーア(60)との間の三女タルーラ・ウィリスさん(29)が、米ヴォーグ誌に寄せた手記で「診断が下る前からずっと何かおかしいと感じていた」と告白した。

ウィリス氏の家族は、今年に入って前頭側頭型認知症と診断されたことを公表している。タルーラさんによると、最初は家族が話しかけても無反応なことから違和感が始まっていたというが、当時はそれがハリウッドで長年働いてきたことによる難聴だと家族は思い込み、「(ウィリスさんが主演したアクション映画)『ダイ・ハード』シリーズのせいで耳がおかしくなった」と考えていたという。 その後、問いかけに無反応なことが増えるにつれ、今度は父親が再婚相手との間に2人の子どもを授かったことで自分に対する興味を失ったせいだと考えるようになったと複雑な心の内を吐露。思春期だった頃の自分は、「母にとって私は十分に美しくない、父にとって十分に面白い人間ではない」と間違った考えに苦しんでいたと語り、早期に病気に気づけなかった理由や親子関係による葛藤を赤裸々に告白した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)