第36回東京国際映画祭(10月23日開幕)コンペティション部門の審査委員長を、ドイツのヴィム・ヴェンダース監督(77)が務めることが決まった。12日、同映画祭事務局が発表した。同監督は、今年のカンヌ映画祭で役所広司(67)が、日本人俳優として04年の柳楽優弥(33)以来19年ぶり2人目の男優賞を受賞した「PERFECT DAYS」(日本公開未定)を手がけた。

ヴェンダース監督は親日家として知られ、東京国際映画祭への参加は1991年(平3)のクロージング作品「夢の涯てまでも」、93年のヤングシネマコンペティション部門審査委員長、11年の「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」以来4回目。同監督は「東京国際映画祭に、また戻ってこられることをうれしく思います。以前の私の初めての審査委員長体験は本当に良い思い出しかなく、今でも当時の審査委員の人たちとは交流があり、お互いに『ヴィムさん』と『さん』を付けて日本風に呼び合っています」と就任への思いを語った。

また、今年の東京国際映画祭では、生誕120年を迎える、小津安二郎監督の特集を開催することも決定した。53年「東京物語」に見せられたという、ヴェンダース監督の小津監督への傾倒は深く、85年にはオマージュとしてドキュメンタリー映画「東京」を製作し、高い評価を得た。ヴェンダース監督は「今年の東京国際映画祭は私が敬愛する巨匠・小津安二郎監督の死後60年、生誕120年の記念すべき年に開催されるもので、そんな機会に参加できることは私にとっては特別なことです」と、感慨を語った。

東京国際映画祭の安藤裕康チェアマンは「昨年秋ヴィム・ヴェンダース監督が世界文化賞受賞のため訪日した際、親日家で知られる同監督に今年の審査委員長就任を打診したところ、前向きな反応を頂いて心強かった。そして今年、小津安二郎生誕120年の記念の年に、同監督を敬愛するヴィム・ヴェンダース監督に審査委員長をお引き受け頂くことになって、本当に有意義だと思う」とヴェンダース監督のコンペティション部門審査委員長への就任を喜んだ。「また、同監督の最新作『パーフェクト・デイズ』に主演している役所広司さんが、この度のカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞されたとの素晴らしいニュースも喜ばしい限りだ」と、役所のカンヌ映画祭男優賞受賞も祝福した。

第36回東京国際映画祭は、10月23日から11月1日まで日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区で開催される。