黒柳徹子(90)が3日、1981年(昭56)の自伝的代表作「窓ぎわのトットちゃん」の42年ぶりの続編として同日、刊行された「続 窓ぎわのトットちゃん」(講談社)の発売記念会見を都内で開いた。

「窓ぎわのトットちゃん」は81年3月に刊行され、黒柳が子ども時代に出会った、小林宗作先生とトモエ学園での思い出をいきいきと描き、ベストセラーとなった。現在までの累計発行部数は日本国内で800万部、全世界で2500万部を突破。12月8日には「窓ぎわのトットちゃん」を初映像化するアニメ映画「窓ぎわのトットちゃん」(八鍬新之介監督)の公開を控える。

「続 窓ぎわのトットちゃん」は、トットが青森に疎開してから、音楽学校を卒業してNHKの専属女優になり、ニューヨークに留学するまでの日々をつづった。黒柳は、書いた動機について「やっぱり…戦争の時は、嫌だったなと。ロシアとウクライナのことがあったのが、もしかしたらこの本を書こうと思った一番、大きなきっかけだった」と、22年2月から続く、ロシアのウクライナ侵攻を挙げた。「子供にとって、何が一番、嫌なことかというと、自由じゃないこと。何をやってもいけないと言われ、逃げ惑う戦争…思い出すことも嫌だったけれど、考えて続きを書こうと思ったわけです」と説明した。

そして「あんなものを書くのに42年もかかったのか? という内容ではございません。ボンヤリしていたら42年かかった。続編を書いて欲しいという声があったが、書くことが、ないなと思った。ウクライナの子どもたちは、どうなっているんだろう? と思った時、自分の戦争の時を思い出した。1でも書いていて良かったと思ったけれど、もう少し、書こうと思い…分かるように書いています」と語った。