伊東四朗(86)羽田美智子(55)が“凸凹父娘コンビ”の刑事役を務めるテレビ朝日系ドラマシリーズ「おかしな刑事」が、来年1月6日放送の第27作をもって完結することが5日、同局から発表された。最新作「おかしな刑事最終回!大千秋楽(おおせんしゅうらく)スペシャル」で、約20年の歴史に終止符を打つ。

2003年8月に「土曜ワイド劇場」で第1弾を放送して以降、同枠や「日曜ワイド」「ミステリースペシャル」枠などで放送を重ねてきた人気シリーズ。捜査会議で居眠りばかりしているたたき上げの刑事、鴨志田新一(伊東)と、その娘でエリート警視の岡崎真実(羽田)が軽妙なやりとりで“おかしさ”と“あたたかさ”を漂わせる下町を舞台にした人情ミステリー。86歳で主演の伊東は、現役刑事役最年長を更新し続けてきた。京都を舞台に全編撮影した「京都スペシャル」2作を含めると、最終作は通算27作目となる。

また「大千秋楽スペシャル」には、伊東と舞台などで共演してきた長年の盟友、三宅裕司が物語のカギを握る建設会社社長・栗山喜一郎役で出演することも発表された。三宅はこれまでもオファーがありながらスケジュールが合わなかったといい「何度もお話をいただいていて、ついに実現してうれしかったです。最終回ということで大変光栄でした」と出演を喜んだ。

▽伊東四朗コメント

-ファイナル作品では鴨志田刑事がついに定年を迎えます

27本やってきたなんて、改めて考えるとスゴイことだね。でも“定年”っていわれると、実は恥ずかしいんですよ。だって第1作を撮影したのは私が66歳のときで、このシリーズをはじめたころにはすでに定年の年齢でしたから(笑)。みなさんに、「タイトルからして『おかしな刑事』なんだからいいんじゃない?」なんていわれながら続けてきました。

-2023年はシリーズ誕生20周年。振り返って

20年たったなんてとても思えない! 1作目の伊勢志摩ロケが、ついこのあいだのようです。もちろん当時はこんなに長く続くシリーズになるとは思っていませんでしたね。

-シリーズが長く愛されてきた理由は?

みなさんがこの作品を愛してくださったとしたら、私とみっちゃん(=羽田美智子)が本当の親子みたいに見えたからじゃないですかね。鴨志田はみっちゃん演じる真実に責められてばかりなんですよ。でも、責められても何を言われても、私は実生活では娘がいませんので、この期間中だけでも娘がいるってとても楽しいなと思いながらやってきました。いや、娘っていうのはうれしいですよね。これ、息子だったらかなり飽きてましたね(笑)。

-レギュラーメンバーのみなさんへの思い

このキャストたちも、「おかしな刑事」の強みですね。27本も続けていると、彼らがどんな芝居をしてくるか、もう読めちゃいますけどね(笑)。でもいちばんの“おかしな刑事”は、おぐちゃん(=小倉久寛)演じる坂下刑事課長だろうね。あんな人が課長をやってるってことがおかしいですね。一度も事件を解決していないんだから(笑)。

-大千秋楽スペシャルのみどころ

“最終回じゃないんじゃない?”と思うほど、大千秋楽スペシャルは、いつもながらのムードですね。だからみなさんも安心してご覧いただけると思います。

これまで三宅裕司と私の共演は、ほとんどがコント番組か喜劇の舞台。そんな2人が今回、ひとつも悪ふざけすることなく大真面目に演じていますから、めずらしいものを見られるんじゃないかな。そこは大いに楽しんでいただけるんじゃないかなと思っています。

▽羽田美智子コメント

-ファイナル作品を迎える心境

ファイナルという言葉には寂しさを感じますが、スタッフ・キャストみんなで“せーの”で飛び立った作品がキレイに着陸できるのは喜ばしいことだなと思います。ずっと閉店セールをやっているお店みたいに、またひょっこり集まれたらいいな。

-このシリーズが長く愛されてきた理由は

視聴者のみなさんの中に、“伊東さんだったら絶対に面白いものを見せてくれる”という安心感がある上に、お芝居のしっかりした役者さんたちが脇を固めているところでしょうか。彼らはスマートに事件を解決するのではなく、人間くさくて愛嬌のある捜査をする…。ミステリーだけど、コメディーでもありホームドラマでもあるというおかしみがあって笑って見られるのが、シリーズの魅力なのかなと思っています。レギュラーキャストのみなさんは伊東さんを心からリスペクトしている、期待を裏切らない俳優さんたち。奇抜なことはしないけど、真面目な中にもどこか“おかしみ”を持てるよう、常に考えていらっしゃいます。

-27作、真実役を演じる上で気をつけてきたことは

私が演じてきた真実の名は“しんじつ”とかいて“まさみ”と読みますが、そこに父と母がこめた思いを感じます。そして、彼女はなるべくして警察官になったんだなと思います。だから事件に対しては、できないなりの真摯さが必要だなというのはずっと意識していました。あとは、やっぱり真実はお父さんがすごく好きなんですよね。だからこそ、ツンデレになってしまう…。そのバランスは本数を重ねても変えたくないなと考えてきました。

-大千秋楽スペシャルのみどころ

大千秋楽スペシャルは鴨志田さんのいない捜査現場がいかに大変か、みんなが身をもって知るシーンがあり、鴨志田さんへの思いを抱きながらもそれぞれが成長していきます。鴨志田さんと真実の父娘の関係にも“ある変化”が…。ドラマはファイナルかもしれませんが、登場人物たちはずっと生きています。“別れ”ではなく、一回着地して新たな人生がはじまっていく…そんな素敵なおはなしになっていると思います。

◆「おかしな刑事最終回!大千秋楽(おおせんしゅうらく)スペシャル」 鴨志田がついに定年を迎える。最後の出勤も終え、残すは有給休暇の消化のみ、というタイミングで、大手建設会社社長が誘拐される衝撃事件が発生する。身代金として2億円分の金のインゴット(塊)が犯人に奪われるが、それが大物政治家に渡す予定のウラ金だった疑惑が浮上する…というストーリー。古き良き人情が残る団地の再開発問題や、建設会社社長親子の確執、イケメンに弱い真実の恋愛など、今回もさまざまな要素がからみ、大千秋楽の名にふさわしい、“笑い”と“愛”に満ちたミステリーが繰り広げられる。弁護士・姉小路行人役の石井正則、鴨志田を何かと手助けしてきた弁護士・武井昭一役の正名僕蔵、東王子署刑事課係長・工藤潔役の飯田基祐、行人の“横浜の叔母様”こと三浦由紀子役の田島令子、東王子署刑事課長・坂下純次役の小倉久寛ら、おなじみのレギュラー陣も総結集する。