役所広司(68)が25日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた主演映画「PERFECT DAYS」大ヒット御礼舞台あいさつに登壇した。席上で、23年12月22日の公開から2カ月で、日本国内の興行収入(興収)10億円、動員が70万人を突破したと発表した。

また、18日時点の全世界興収が2430万ドル(約36億6000万円)に上り、ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督(78)にとって、99年のドキュメンタリー映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を上回り監督作品史上、最高興収であることも併せて発表された。80以上の国と地域で公開され、イタリアでは日本以上にヒットしているといい、米国での公開も、7日から始まっている。

「PERFECT DAYS」は、米アカデミー賞国際長編映画賞(旧外国語映画賞)にノミネートされた。23年9月4日に同賞日本代表に選ばれ、同12月21日(日本時間22日)にはノミネート一歩前のショートリストに入っていた。役所は「日本代表として選んでいただいて(ショートリスト)15本に残って不安だった。YouTubeで最後、見ていて何か、ホッとした。その上に行きたい欲が出てくる」とアカデミー賞ノミネートを振り返った。3月10日(日本時間同11日)に米国で行われる授賞式には「当日は、行きます。ここまで来たら…もちろん、1等賞は取りたいですけど、世界中の作品の仲間と楽しみたい」と笑みを浮かべた。

役所が演じた、渋谷でトイレの清掃員として働く平山にしかい見えないホームレスを演じたダンサーの田中泯(78)は、米アカデミー賞のノミネートについて「取ろうとして取れるもんじゃない。目指していたわけでもないと思う」と評した。その上で「監督を中心に現場がどう進んでいたかの偉大さ、すごさを改めて感じています」と感慨深げに語った。

「PERFECT DAYS」は、22年5月に東京で開かれた会見で製作が発表され、ヴェンダース監督とともに役所が主演俳優として登壇した。同監督は東京・渋谷区で20年から行われている、世界的に活躍する16人の建築家やクリエイターが個性を発揮して、同区内17カ所の公共トイレを新たなデザインで改修するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」のトイレを舞台に製作。製作にあたり、11年ぶりに来日してシナリオハンティングなどを行い、自ら脚本も担当した。撮影は全て東京で行った。

舞台あいさつには、中野有紗(18)アオイヤマダ(23)も登壇した。