2日前(11月27日土曜日)、都内某所の公衆便所に入ったら、手書きで何やら書かれた紙が張られていた。

よく読むと、具体的な「推奨株式銘柄」と4ケタのコードが大きく書かれ、その銘柄の前日(11月26日金曜日)終値、前日比、出来高など具体的数字データが記載。よって、紙が張られたのは26日夕以降と思われた。

「仕手が入る」などとした上で、11月29日月曜日よりこの銘柄が「ストップ高になる」などとも断言。「南アフリカ変異コロナ」などとオミクロン株を意味するであろう最新の社会情勢ワードも盛り込み、「今が絶好の買い場」「資産を倍にすべし!」などとあおりまくっていた。最後に「私は株で生活しているプロです」と”自己紹介”も付記。

実際、週明けの本日(29日月曜日)、当張り紙で推奨されていた銘柄はストップ高になってはいた。

ただ、黒いペンで手書きされたこの張り紙、銘柄の下には別のペンで赤線まで引いてあり、1枚だけ作ってこの便所に張ったのか、1枚1枚手作りで何枚も作成して複数の場所に張ったのか、カラーコピーを使って何枚も作成して複数の場所に張ったのか、よく見ても断定できなかった。

少しでも株価を上昇させたいための”買いあおり”が目的だとしても、手書きの紙を複数枚張ったところでこの短期間では情報拡散には物理的な限界がありそうで、かつ、それに影響を受けうる人の絶対数も多くないと推察される。

あるいはこの「プロ」と称する人が、単純な善意で不特定多数の便所利用者に「資産を倍に」してほしかったのか。気になる張り紙だった。

【文化社会部・Hデスク】