俳優西岡徳馬(77)の主演舞台「後鳥羽伝説殺人事件」が、5月4~7日に東京・渋谷伝承ホールで上演される。旅情ミステリー作家内田康夫氏の生誕90周年記念。1982年(昭57)に出版された、浅見光彦シリーズの第1作目で初の舞台化となる。広島県三次市を舞台に描く。このほど、西岡らが取材に応じた。

西岡は定年を2週間後に控え、連続殺人事件の謎に挑む三次警察署の老刑事・野上哲男役。「浅見光彦シリーズは、かつてフジテレビの2時間ドラマで、榎木孝明さんの光彦、野際陽子さんのお母さん、そして私が兄の陽一郎で10本以上やったもので、とても懐かしい作品。今回初めての舞台化ということで、いろいろ情報をいただき、この『後鳥羽伝説殺人事件』がシリーズの1作目であることを知りました。今回の私の役は広島県三次暑の定年まで2週間の刑事。セミの生涯のように残された2週間『ミーンミーン』と大きく鳴きまくって事件解決に向かってみたいと思ってます」。

演出を担当する鼓太郎(53)は「シリーズ第1作目の初舞台化は、私にとって大きな挑戦であると同時に、同じ東京・北区出身の内田先生の作品に携われる貴重な機会に恵まれ、とてもうれしく思っております。シェークスピアが残した『演劇は幻想だ。現実ではない。だからこそ、真実を伝えるのだ』の言葉を胸に、キャスト、スタッフ一丸となって作り上げます」と話している。

浅見光彦は布川隼汰(31)、母雪江は池上季実子(65)、兄陽一郎は野村宏伸(58)。ほか、えまおゆう(56)大鶴義丹(56)神太郎(81)トリンドル瑠奈(30)らが出演する。【小谷野俊哉】