シンガー・ソングライターさだまさし(73)が25日、都内で行われた第14回「岩谷時子賞」授賞式に出席した。

同賞は音楽・演劇文化の向上や普及のために功労のあった人物・団体に栄誉を与えるため、10年に制定。第1回の辻井伸行をはじめ、松任谷由実、渡辺謙、坂東玉三郎らが受賞している。

さだが、岩谷時子さんの名を初めて知ったのは中学2年の時だった。「加山雄三さんブームで初めて知った」。その加山に憧れて歌手を目指したが「加山さんに憧れなければ真面目なバイオリン弾きになっていたと思う」と笑った。「加山さんに憧れたために脱落して、歌うたいになった」と得意の“さだ節”で笑いを届けた。

「歌曲に憧れるきっかけになった岩谷さんの賞をちょうだいできるのは、ずっとこのために、中2から歩いてきたような気がする」と感慨深げ。「子どもの頃の自分に『頑張っていれば岩谷時子賞もらえるぞ』と言いたい」とすると、「まず信じないと思いますけど」で、再び笑いを誘った。

数々のヒット曲を作ってきたが、「歌づくりをずっとやっていると、言葉がいかに難しいかに気付かされます。たたかれるのは歌詞からだった」と振り返った。「関白宣言」を例にあげると、「最後まで聞かないもんですから。何を伝えたいかは最後の2行にあるけど、なかなか聞いていただけない」と苦笑い。

その上で、「北の国から」は「何の批判もなかった。“あ”と“う”だけですから」とし、「あれが“は”とか、“へ”とか、“ほ”だったら多分ヒットしていないでしょうね。“へ”と“ほ”でヒットしたのは『与作』だけです」とコンサートのMCさながらの話術で、参加者をさだワールドへといざなった。

それでも、「こんなことを言ってるけどうれしいんです」と吐露。「たくさんの方が応援してくださって、その道の遠くにこの賞があったのは誇りに思います」とした。

この日は、偶然にも満50年となるソロデビュー記念日。「あっという間だった気がします」とし、「現役でいられることを感謝したい」。御年73歳。「いつまで歌うんだと言われるけど、お客さんがいなくなるまで歌う。お客さんがいてくださる限りは現役で歌おうと考えています」と宣言し、「岩谷先生に『いい詞を書けよ』と、背中を押していただいた気がします」と語った。

この日、米・女優エヴァー・アンダーソン(18)の奨励賞、音楽家大友良英(66)、女優島田歌穂(62)の特別賞、イラストレーター宇野亞喜良氏(91)の功労賞、Foundation For Youthにピアニスト中川優芽花、バイオリニスト堀内優里の受賞も発表された。