歌舞伎俳優中村鷹之資(26)が9日、都内で、4月にヨーロッパ3都市で開催される公演「女方ができるまで」の取材会を行った。パリ、ローマ、ケルンを訪れ、舞踊「藤娘」のほか、パリでは加えて「石橋(しゃっきょう)」を上演する。舞台上で、化粧の過程や衣装を着る様子など、女形になるまでのこしらえを見せる趣向もある。
プライベートも含めて初ヨーロッパという鷹之資は「海外公演にはものすごく憧れがございました。父(=中村富十郎さん)は多く行かせていただいていまして、いろんな話を聞いていました。何かお話聞かせて、と言うと、延々と海外公演の話をしてくれたりしました」と振り返った。
パリ公演で上演される「石橋」はクライマックスの勇壮な毛振りが見どころで、富十郎さんとの思い出の演目だという。「毛振りは唯一父から教わっているものです。父は僕が11歳の時に亡くなった。14歳になったらいろんなことを教えると言ってたので、基本的な役のこととか、稽古を見てもらうということはほとんどなかったんですが、唯一、父の(自主公演)矢車会で『連獅子』をさせていただいた時に毛振りを見てくれました」と明かした。
「藤娘」については「日本舞踊、歌舞伎舞踊の良さが詰まった作品。基本に忠実に、華やかさ、美しさがストレートに伝わるようにつとめたい」とした。
また、舞台上でこしらえを見せる演出に関し、鷹之資は「普段の鷹之資という役者から、(藤娘の)藤の精になるまでをお見せする斬新な演出だと思います。男性が女性を演じるまでの過程をお見せすることで、興味、感心を持っていただけるのではないかと思います。歌舞伎役者である雰囲気も感じていただければ」とした。
また、映画「国宝」にも触れ「映画では女形がフィーチャーされていました。日本だけでなく、世界的にも歌舞伎という伝統文化が注目されている。(プレッシャーを)感じます。責任重大な機会をいただいたと思います」と話し、「新たな知見を得て、日本に戻ってこられたら」と期待を寄せた。
最近、公演でも訪れるローマを舞台にした映画「ローマの休日」の記念上映を映画館で見たという。鷹之資は「ボロボロ泣いたんですけど、ここ(=ローマ)に行くんだと思って、どうしよう休日? どうしようすてきな出会いがあったら? って。ないと思いますけど、そんなことも楽しみです」と笑わせた。



