米俳優で歌手のジョン・ロイド・ヤング(50)が初来日する。東京・丸の内のコットンクラブで、30日から3日連続でライブ(計6公演)を行う。
06年にブロードウェイ「ジャージー・ボーイズ」のフランキー・ヴァリ役でトニー賞ミュージカル主演男優賞受賞の実力派。日刊スポーツの取材にこのほど応じ、日本への思いや自身の夢などを明かした。
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「東京での今回の公演は、数年来抱いてきた夢の集大成です」
ヤングが目を輝かせた。好きな国の1つで、来日を願い続けてきた。
「ずっと前のことになりますが、『ジャージー・ボーイズ』がブロードウェイで始まったばかりの頃、初めて日本の雑誌のインタビューを受けたんですよ。それが、日本の『プレイボーイ』だったんです。その号が送られてきた時のことは今でも覚えてます。グーグル翻訳が出てくる何年も前のことだったし、それを読むこともできなかったんですけど、それが『いつか、運が良ければ日本にもファンができて、そこでパフォーマンスすることもできるかも』っていう思いを頭の片隅に植えつけたんですよね」
日本にさらに親近感を抱いたきっかけは、トニー賞受賞のミュージカル「ジャージー・ボーイズ」がクリント・イーストウッド監督のもと映画化され、日本でも上映されたことだった。日本からの声も届き、米オバマ大統領時代には、ホワイトハウスでは日本人との出会いもあった。
「『ジャージー・ボーイズ』の映画が公開されると、日本にもフォロワーやファンがたくさんいることに気づきました。(映画版『ジャージー・ボーイズ』のほかのキャストとともに)ホワイトハウスに招かれ、安倍晋三元首相と昭恵夫人の前でパフォーマンスを披露する機会も得ました」
日本への愛も抱き、米国だけでなく「日本人」も気になる存在になった。
「最近ではオリンピックで美しいパフォーマンスを披露した日本のフィギュアスケーターたちにとても魅了されました。歌手のライブパフォーマンスを見るのって、トリプルアクセルに挑戦するフィギュアの選手を見ているような気分になることがあるんですよ。着氷成功するかな? 音程ちゃんとあてられるかな? っていう感じで」
米国のアリサ・リュウが金メダルを獲得したミラノ・コルティナ五輪(オリンピック)フィギュアスケート女子では銀メダルに日本の坂本花織、銅には中井亜美が入り、日米で表彰台を独占。4位の千葉百音、5位アーバン・グレン(米国)を含め、ペアでは金メダルの「りくりゅう」三浦璃来、木原龍一組など、心が引きつけられた。
3月に入り、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)も開幕。米国ではアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)らが活躍。大谷翔平投手(ドジャース)、吉田正尚外野手(レッドソックス)らメジャー勢が中心を担う日本の躍進も期待している。
「僕は、国と国との間で平和的な文化交流が生まれる瞬間が大好きなんです。僕のような音楽の世界にいる人間にとっては、多くの場合、それは国際的な観客に向けて音楽を届けることを意味します。スポーツがそれと同じ精神のもとで人々をつないでくれるのも、本当に素晴らしいことだと思います」
さらにカテゴリーを越えた共演も目標のリストに入っている。
「歌手としての僕のもっとも記憶に残る経験のいくつかは、実はスポーツイベントでの国歌斉唱なんです。これまで、ニューヨーク・ヤンキースやロサンゼルス・ドジャースの試合、それからロサンゼルス・キングスのホッケーの試合でも何度か歌わせていただいてます。時には、同じイベントでカナダとアメリカの両方の国歌を歌うという光栄な機会に恵まれたこともありました。いつかWBCのような大舞台で、日本とアメリカの両方の国歌を歌える幸運に恵まれたらと願っています」
日本人はヤングだけでなく、家族にとっても身近な存在だ。
「実は、わが家で野球ファンなのは妻の方で、(WBC1次ラウンド台湾戦の)大谷翔平選手の満塁ホームランについて教えてくれたのも彼女なんですよ。ロサンゼルスの人々は、これほど才能あふれる日本人選手たちがロサンゼルス・ドジャースで活躍してくれることを、とても誇りに思い、光栄に感じています。大谷選手や山本由伸選手のような選手たちは、アメリカの野球ファンを大いに熱狂させてくれています。日本とアメリカ、ロサンゼルスの絆がさらに強まっているのを実感できるのは、本当に素晴らしいことです」(つづく)
◆ジョン・ロイド・ヤング 1975年7月4日、米カリフォルニア州サクラメント生まれ。ブラウン大卒業後、05年にミュージカル「ジャージー・ボーイズ」のフランキー・ヴァリ役でブロードウェイデビュー。06年には同作でトニー賞ミュージカル主演男優賞受賞。その後は歌手活動も開始。09年にはテレビドラマ「glee」に出演。12年にはデビューアルバム「My Turn...」を発表。14年、クリント・イーストウッド監督の映画「ジャージー・ボーイズ」で主演し、映画デビュー。



