芸能人や著名人が登壇するイベントでは、その人のカラーが出る。立ち姿、オーラで圧倒する人もいれば、ユーモアで沸かせる人もいたりとさまざま。Snow Man阿部亮平(32)は言葉でその場を掌握できる人だった。

先日、阿部は都内で行われた「ベンチャーサポートアンバサダー就任記者発表会」に登壇した。人気アイドルとしての活動に加え、合格率4~6%の難関で知られる気象予報士の資格を持ち、キャスター業にも従事。可能性を開拓し続ける姿が企業理念と共鳴し、全国に拠点を構える総合士業グループのアンバサダーに起用された。

芸能活動と並行しながら、18年3月に上智大学大学院の修士課程を修了した。聡明(そうめい)で誠実な人物像は、発せられる言葉にも宿る。同会見で、阿部は「人生において起業などの重要な挑戦をする人がいたらどんなアドバイスをするか」と問われた。記者は昨春に阿部にインタビューする機会があり、そこから約1年。理路整然と言葉にしていく姿は変わらずで、そこには自然と耳を傾けたくなる鋭さと温かさがあった。

その質問に対しての阿部の答えはこうだ。「人生は選択の連続になると思っていて、起業とか高度な挑戦をするっていう風に決める時もやっぱり一つの選択になると思う」と寄り添った上で、「いろいろ迷って選択肢があったとしたら、やっぱり、まずはなりたい自分を思い浮かべます」と強調した。

理想像を定めた後は、目標までの過程について緻密に考えを巡らす。「そこから逆算するっていうのも大事だし、あとはその選択肢を選ぶにあたって、将来の選択肢がより増える方の選択を取るのがいいんじゃないかな、っていう風にアドバイスするかなと思うんです。なりたい自分から逆算することと、次の選択肢が広がること、この挟みうちが良いんじゃないかなと思います」と続けた。理にかなった思考の言語化。アドバイザーのような姿に、その場にいた報道陣やイベントスタッフも水を打ったような静寂の中で聞き入っていたように思う。

Snow Manは2012年5月に結成し、2020年1月にCDデビューを飾った。いわゆる“下積み”が長かったと表現されることが多いが、昨春のインタビューで阿部は「デビューまでめちゃくちゃ時間がかかったって思うことがあまりなくなってきた」と語っていた。「もちろん思い出せば長かったんですけど、そう考えるとそれまでの自分たちも僕たちの芸能活動だし、その期間があったからこそ、今それらの経験を武器に変えて活動できているなって自信を持って言えます」。それもある種の“逆算”だろうか。個人として、グループとしてこの先、どんな理想像を思い描いているのか。今以上の活躍の続きを楽しみにしたい。【望月千草】