ロックバンドT-BOLANのボーカリスト森友嵐士(60)がこのほど、日刊スポーツなどの取材に応じ、事実上の“解散”となる8月10日開催の“最初で最後”の日本武道館公演やメンバーへの思いなどを熱く語った。【聞き手=川田和博】
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8月10日の日本武道館ライブについて、あえて“解散”という言葉を使っていない。
森友 解散ではないです。解散という言葉は1回も使っていない。バンドとしてのラストライブです。T-BOLANとしてのライブをやるのはこれが最後です。
これまでも「解散」の経験はある。再集結の可能性はあるのだろうか?
森友 いやいやいや、ラストと決めましたから、そこは決心です。その気持ちがなかったらいえない。これがラストライブツアーじゃなかったら、同じ人と同じライブをやっても、生まれるエネルギーは変わるんです。
僕らは、どこかで人生がいつまでも続くような感じで生きていますよね。でも、上野みたいに大きな病気をすると、残りの人生の時間が限られると、やることに対しての意識が変わるんです。そうすると1日も変わる。人生の中で、病気はひとつの大きなきっかけになりますよね。
僕らのライブも同じで、いつまでもあるわけではない。明日は何も約束されてない。ましてやこの年齢になって、上野の現状や僕自身の体調もねえ。いつ何があるか本当に分からないんです。
例えばステージの上で何かあったとしても、それは本望ですよ。だけど、それがいつまでもあると思っていない。そんな中で、今なら「47都道府県、全部いけるじゃん」って。そんな決心を込めたツアーがどんな景色になるんだろうなって。これは僕らも感じたいことだし、大きなお世話かもしれないけど、みんなにも感じてほしい。
だから、来てくれるファンのみんなにとってもラストライブだよって。そういうふうに考えた時の1日1日の時間って、すごく大事な時間になるから、悔いのないように、自分の思うことを、今この瞬間を存分に生きていてほしい。言葉にしていないけど、そんなメッセージもあるんです。
森友の思いは、確実にファンに伝わっている。それは森友自身も感じ取っている。
森友 ツアーを始めた頃よりも明確に、武道館を発表した後のライブが大きく変わった。届いたんですよね。本当にそうなんだって。最初の発表では届いていなかった。「そうはいっても、多分まだやるんだろう」と、思っていたのかもしれない。
でも、ファイナルを発表して、みんなに届いた。残された1本1本なんだって。だから、この一夜一夜を思いっきり自分の中に刻みたいって。そういう思いに変わってきているのが分かるし、僕らもそういうライブを一緒に作っている。
ライブって、元々そういうもの。僕らが何かを持ってきて渡すんじゃなくて、そこで一緒に生まれるエネルギーだから、1本1本が全部違う。
今それを感じてもらえていて、そしてラストライブが導き出したひとつの大きな意味につながっている。だからこそ、決心して動いていますよ。
各ライブ会場では、ファンからの「ありがとう」の声が飛び交っている。
森友 武道館がラストライブとなった時に、あることが当たり前じゃないとみんな感じてくれたと思う。でもそれはこのライブだけじゃなくて、人生の中の全てにおいてそうじゃないですか。それを感じられるような心でみんなが生きられたら、日本って、人類って、もっとすてきなんじゃないかなって。
コロナの時も病気になった人をたたくような、残念な気持ちがすごくあった。だからあの時、ありがとうを連発する「ありがとうのうた」を作った。「攻撃する人を攻撃しても意味がない」と思って、逆で表現しようと思ってね。
今「ありがとう」という言葉が会場から届いてきているということは、届けたいと思ったこのラストの意味が、どう伝わっているのかは分からないけど、でも僕らが感じてほしいなと思ってる部分が、少なくともそれぞれの心の中に、何かしらの形で響き始めていると思っています。
だからこそ、武道館がどんな一夜になるのか? 森友自身、想像がつかない。
森友 ただ箱が大きくなったところでやるライブとは違うんです。47都道府県を回ってきたラストライブツアーのファイナルであり、「ありがとう」が届いたファンが集結する一夜でしょう。想像ができない。
みんなが会場へ入ってきて、どんな感じなのか。客電が消えた瞬間、どんな感じなのか。1曲目が始まった時にどんな感じなのか。全く想像ができない。
今までのツアーでもどんどん変化している。これは、僕らが想定できていなかったことなんです。だから今、武道館がどんな一夜になるのかは、一番の楽しみ。涙が出てきて、歌えなくなったらどうしようって。分かんないじゃん、どんな感じにさせられちゃうのか。
それも含めて、このラストの武道館という一夜をみんなで作り上げたいし、その作り上げた位置をみんなで共に刻みたい。そんな気持ちです。
その上で、T-BOLANや森友自身の今後について聞いた。
森友 武道館で発表します。ひとつだ。キーワードは“継承”です。これがどんな意味かは、ぜひ武道館で!(つづく)



