フリーアナウンサー有働由美子は28日夜に放送された、MCを務めるテレビ朝日系「有働Times」(日曜午後8時56分)に出演。今月20日に老衰のため亡くなったことが明らかになったシャンソン歌手、俳優美輪明宏(みわ・あきひろ)さん(本名丸山明宏=まるやま・あきひろ)の訃報(ふほう)を、時に絶句しながら涙ながらに伝えた。
美輪さんの訃報は28日、公式サイトで発表された。番組では、同局系「徹子の部屋」に出演した際の美輪さんの数々の映像を放送しながら、ありし日の美輪さんの活動を伝えた。
VTRの後、有働の背景には、美輪さんの自宅のソファに座って笑う、美輪さんと有働の写真が配置された。有働は、声を震わせながら「美輪明宏さんには、何度かインタビューさせていただいたことがあるのですが」と前置きし、写真に言及。「これは7年前にご自宅でお話をうかがった時の写真で、美輪さんにお話をうかがう時には必ず、戦争のむごさ、残酷さというのをお話しされていたのですけど…」と述べたところで、数秒間、コメントを続けることができなくなった。
有働は涙をこらえながら「その中で、いつも出されるお名前があって。『さんちゃん』という、美輪さんの長崎のご実家のカフェで働いていた青年のことでして」と切りだし、「太平洋戦争で兵隊として召集された『さんちゃん』を美輪さんが駅に見送りに行った時、敬礼で応えていた『さんちゃん』の足元に、お母さんが『死ぬんじゃなかぞ。生きて帰ってこい』と、泣いてしがみついたと。そのお母さんを、憲兵が襟首をつかんで駅のホームに投げ飛ばし、お母さんは頭から血を流して倒れ、そのお母さんの姿を見つめて、出征したと。その時の表情を思い出すと、何十年たった今も涙が出ると。あのときに感じた戦争や軍人への腹立たしさが、ずっと私を突き動かすエネルギーになったと、お話しになっていました」と、何度も言葉を詰まらせながら振り返った。
美輪さんの言葉として、「戦争に大義名分も正義もない、戦争を始めようとする人はいつも安全な場所にいて若い人たちをたきつけるけど、命を安売りしてはだめ、とお話ししてくださいました」と振り返った有働は、「今の世界の状況、それから今年は日本が武器輸出についての政令を大きく変更したわけですが」と、政府が防衛装備移転三原則と運用指針を改定したことに言及。「こうした日本の状況をどんなふうに見ていたのかというのをお聞きしないままになったことが悔やまれます」と、口にした。
その上で「激動の人生を、世の空気に流されず生き抜かれた美輪明宏さん。本名、丸山明宏さん。どうか安らかにお眠りください。心よりお悔やみ申し上げます」と追悼し、カメラに向かって頭を下げた。



