落語家笑福亭鉄瓶(47)が2日、大阪市の松竹芸能で「笑福亭鉄瓶独演会 東名阪ツアー」(11月7日、天満天神繁昌亭ほか)の取材会に出席した。
23~24年に続く東名阪での独演会。01年に笑福亭鶴瓶に弟子入りし、芸歴25周年の節目にも当たるが、「普通にやってれば芸歴は増していくので」。本人は全くキャリアに興味を示さなかったが、ファンから「鉄瓶さんはそうかもしれへんけど、お客さんはお祝いしたいのよ」と諭され、告知には申し訳程度に「25th Anniversary」と入れた。
過去2回は古典落語と自らネタを見つけ、取材した人の人生を落語に仕上げたノンフィクション落語、自身の“ルーツ”である「鉄瓶トーク」の3本立ての独演会だったが、今回はノンフィクション落語を外し、桂福團治に稽古をつけてもらう予定の「ねずみ穴」と、講談が元で、講談師の旭堂南海に稽古をつけてもらった「紀伊国屋宝入船(きのくにやたからのいりふね)」の古典2席と鉄瓶トークを演じる。
師匠の“鶴瓶トーク”に魅せられ弟子入り。当初は落語をやる気が全くなかったが、年季明けの4年目に兄弟子たちの落語会の手伝いに行くようになると、落語家のすごみを目の当たりにし、古典落語の魅力にどっぷり取りつかれた。
「笑福亭鶴瓶がその名前でやってくれてたおかげで、私は助かっている。駿河学でスタンダップで売れてる人に弟子入りしてたら、今頃私は落語をできていない。落語に出会わせてもらったことにも感謝で、おこがましい言い方になりますが、25年やらせていただいて僕ができることは、とにかく上方落語に恩返しできるか。それが毎年更新していくテーマ。僕の独演会に初めて来はった人が落語にハマって、いろんな人の落語会に行ってもらえるような会になれば」
昨年は繁昌亭大賞の大賞を受賞するなどコツコツと落語に打ち込んできた実力が高く評価された。先輩だけでなく後輩から公演のゲストに呼ばれることも増え、「うれしい。嫌われてないってことですから」と素直に喜んだ。
上方落語への恩返しについて聞かれると、「お客さんも世間も江戸の落語ばっかり。ヤフーニュースも正蔵さんばかり出てきた」と、上方落語協会の笑福亭仁智会長の新体制お披露目会見より、落語協会の第13代会長に就任した林家正蔵ばかり取り上げられているとちょっぴり不満げ。「でも、それが現実。それを塗り替えるために、年齢的に脂が乗っていかなアカン人間が手をつないで、一生懸命やっていかなアカン。松鶴師匠らがつなでくれはったバトンを次にわたす作業が唯一の恩返しになるのかな」と決意をにじませた。
新体制では桂福丸(48)、笑福亭呂好(45)ら年齢の近い落語家が新たに理事に加わった。今年は天満天神繁昌亭開設20年、来年は上方落語協会創設70周年でもあり、「戦いなんてないですけど、上方落語協会で戦に出やなあかんとなったときに、そこで人選に入る駒のひとつになりたい」と上方落語を支える一人としての責任感をにじませていた。
名古屋公演は10月30日にメニコンANNEX HITOMIホール、東京公演は11月25日になかの芸能小劇場で行われる。



