テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)は26日夜の放送で、米トランプ政権から制裁の対象とされた、戦争犯罪などを追及する国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長(70)に対する大越健介キャスターのインタビューを放送した。
赤根氏はこの日夕、日本記者クラブ主催のオンライン会見に応じ、「私には制裁を受けるような理由はまったくないと断言できます」と主張。「ICCは決して負けません」「正義は常に、これとは対極にあるものに優越する、いえ優越しなければならない。その信念を貫きます」と、強い信念を口にした。
大越氏はこれとは別に赤根氏へのリモートインタビューを行い、番組では大越氏が画面の赤根氏を見上げながら「法の支配の最後のとりでがICCとすれば、その対極にある、力による支配とはどういうことなのか、どうしてそこに移してはいけないのか」「身体的恐怖は」などの質問を投げかける様子が放送された。
大越氏の問いに赤根氏は、「(ICCの影響力が)なくなった場合、力の支配を及ぼそうとする人たちがもはや何の心配もなく、そういうことをやることになる。そうすると日本の場合はどうでしょう。これから日本が進む道を考えるにあたり、国民の人たちにも直接影響が及びかねないことに、思いを致してほしい」「法の支配がなければ、日本人、日本国はそうした強い国に従うしかないのか、それで日本の独立と今まで築いてきた誇りというようなものが保たれていくのかにも、思いを致してほしいと思います」などと呼び掛けた。
制裁などの措置を受けていることを受けた身体的恐怖については、「確かに怖くないかと言われれば難しいところはありますが、当初から言っている通り、こうした国際刑事裁判所の裁判官になるに当たっては、そういう覚悟がなければなれませんので、そういうことの延長線上ととらえて、ある意味でのリスクは甘受している」と応じた。
大越氏はインタビュー終盤に「みんな赤根さんのことを応援している。屈せずにやり通していただけますか」と確認。赤根氏は「もちろんです。私は自分の任期が終わる最後の日まで頑張るつもりです。本当に応援、ありがとうございます」と、日本内外で広がる支援の声に謝意を口にする様子も放送された。
インタビューVTRの後、大越氏は、ともに番組進行を行う同局の小木逸平アナウンサーに「並々ならぬ覚悟と同時に、日本国としても我々としても、法の支配への覚悟を問われていると感じました」と話しかけられると、「私もまったく同じことを感じました」と応じた。
その上で「ICCは、ロシアのプーチン大統領やアメリカの盟友であるイスラエルのネタニヤフ首相の逮捕状を出したりしている。つまり、それだけのことが実際に起きているということにほかならない」と指摘。「赤根所長はそうした今の時代について、世界で戦争が起きていて、その足音が身近に聞こえてきているように感じると話していた。だからこそ日本被団協がおととし、ノーベル賞を受賞したことに非常に感動したし、一人一人が平和を目指して努力を重ねることの大切さを痛感したというふうにおっしゃっていました」と述べた。
その上で、普段は公の場に出て話すことはほとんどない立場にある赤根氏が、今回、メディアの取材を積極的に受けている意味に関して「法廷の扉から飛び出して、私たちの前で思いのたけを語る赤根さんは、国際法をつかさどる責任者であると同時に、平和の尊さを強く訴える、ひとりの日本人の姿そのものでもありました」と結んだ。



