今月3日に亡くなったやしきたかじんさん(享年64)が、妻に発した最期の言葉は「ちょ~飲みに行ってくるわ」だったことが11日、分かった。また、同日放送の関西テレビ「たかじん胸いっぱい」(土曜正午)や、テレビ大阪「たかじんNOマネー」(土曜午後1時)緊急生放送の中で、たかじんさんが亡くなる直前の様子が明らかになった。

 「-胸いっぱい」では、昨年10月のたかじんさんの誕生会にも招かれ、長く親交のあったタレント遙洋子(年齢非公表)が、たかじんさんにメールで「茶を飲みに来い」と誘われ、新居へ行ったことを告白。しかし、その時はすでにたかじんさんは亡くなっており、昨年秋に再々婚した夫人が代わって「笑顔で洋子に伝えてくれ、1月3日に亡くなった、と…」との伝言を伝えたという。

 遙によると、たかじんさんは「洋子だけは家に呼んで、俺の(訃報の)ニュースを家で1人で聞かせるな」と夫人に依頼していたといい、その約束を守った夫人が、たかじんさんに代わり、メール交換していた。

 たかじんさんは棺の中で、番組1000回記念で着用予定だった赤いジャケットを身につけ「お顔は大変幸せそうでおだやかでした」。7日に死去が発表されたのは「正月のめでたい気分を自分のことで悲しませたくない」とのたかじんさんの遺志をくんだことからだったと報告した。

 同じく同番組レギュラーの北野誠(54)によると、たかじんさんは昨年12月31日、病室でNHK紅白歌合戦を見ていたことも判明。たかじんさんといえば、自宅に10台以上のテレビを並べ、全局番組を欠かさずチェックし、気づいたことをネタ帳に記してトークに生かしていたことで知られるだけに、最後までテレビへの興味は失われていなかった。北野は「最後までリモコン離さず、出にくい声で『綾瀬はるか、これどやねん?』とつっこんでいた」と、その様子を報告した。

 また「-NOマネー」生放送では、昨年6月から番組進行を務めるメッセンジャー黒田(43)が、昨年12月半ば、たかじんさんに呼び出されたことを告白。約3時間「自分をよく(賢く)見せようとするな」と、進行ぶりへの助言を受けた。ただ、その際は「ワインをむちゃくちゃ飲んでいた。春には復帰すると思っていた」と、当時は元気そうな様子だったと語った。

 たかじんさんの相棒を務めていた真鍋かをり(33)は、たかじんさんが休養後「私だけでは無理」と降板を考えていたが、たかじんさんに諭され思いとどまったと打ち明けた。そんな背景があり、真鍋は「奥様から伝言があって『しんどい思いをしたことは今後、絶対役に立つ』と言っておいてくれ、と言われたそうです」と、涙目になりながら明らかにした。

 豪快な物言いの裏にあった繊細な神経、配慮が知られるたかじんさんだが、自分の最期をある程度覚悟した上で、各知人それぞれメッセージを残していた様子が浮き彫りになった。