V6森田剛(32)が全米デビューすることが5日、分かった。宮本亜門氏演出の主演舞台「金閣寺」が、世界各国の芸術作品が集められるニューヨークのリンカーンセンター・フェスティバルに招待され、7月21~24日まで公演を行う。俳優業では海外デビューとなる森田は「V6とは違う経験。怖いですが、楽しみの方が大きいです」と晴れの日を心待ちにしている。

 リンカーンセンター・フェスティバルは96年にスタート。演劇、ダンス、音楽など幅広いジャンルの良質な作品を世界中から集め、毎年夏に十数本上演する。世界最高レベルの芸術フェスともいわれ、世界中からプロデューサーが集まる演劇界の一大イベントとして知られる。過去には、中村勘三郎率いる平成中村座や蜷川幸雄氏の作品なども上演された。作家三島由紀夫原作の「金閣寺」は1月末から神奈川芸術劇場で上演。同フェスのプロデューサーが同舞台を観賞し、高く評価したことから招待が決定した。

 森田はV6などでアジアツアーを行っているが、歌手活動を含めて全米公演は初めて。俳優としては海外デビューにあたる。ジャニーズ事務所のタレントでは、香取慎吾が三谷幸喜作品でニューヨーク進出を果たしたのに続く、主演舞台での全米進出になる。

 森田は世界的ビッグイベントでの全米進出に「どれだけすごいことか分かってないし、未知の世界で不安もありますけど、どんな反応があるのか楽しみの方が大きいです」。世界に通用する役者になりたい気持ちは「まったくないです」としたが、「行ったらその気になるかもしれない」とチラリと色気を見せた。

 演出の宮本氏にとっては02年「太平洋序曲」に続き、2作目の同フェス招待となる。「森田君は直感で動くタイプで役者として面白い存在。行ってみないと分からないけど、世界に通用する才能の持ち主」とし、成功への手応えを感じている。

 セリフはこれまで通り日本語で、舞台上で字幕を出す予定。キャストは同じで内容は基本的にほぼ変わらないが、宮本氏は「単なる同じ物、という感覚はありません。舞台はどんどん進化するもので、もう1回稽古して、細かいところは変えます」と話した。