テレビ朝日系「パネルクイズ

 アタック25」の司会で知られた俳優児玉清(こだま・きよし)さん(本名・北川清=きたがわ・きよし)が16日午後0時28分、胃がんのため都内の病院で死去していたことが17日、明らかになった。77歳だった。

 児玉さんは学習院大独文学科で学び、大学院に進むつもりも卒業式の日に大黒柱の母が亡くなった。大学時代、「クイズダービー」の篠沢秀夫教授(77)らと劇団「劇場座」で活動したが、教授の夢から180度方向転換して俳優となった。

 俳優は腰掛けの気持ちで、大部屋時代が続いた。だが「お前は雑魚だ」の一言に一念発起し、次々と大女優と共演。存在感を増していった。テレビドラマに進出し、主婦の理想の亭主像に。そのイメージで、ワイドショーの司会に起用された。ある時、生中継現場に暴漢が現れ、何もできなかった。「この時の経験が、俳優一筋と考えていた生き方を変えました。俳優はなんでも体験し消化しなければならない」。

 その姿勢が「パネルクイズ

 アタック25」の司会者につながった。収録が終わると、最後の1人まで見学者を見送り、サインには相手の名前を聞いて書き込む、律義な人柄だった。月平均20冊は読む読書家で、裏打ちされた知識と読解力で、書評番組を盛り上げた。