女優鈴木砂羽(40)が初の自伝「女優激場」を10月6日に出版する。20代に約10年間交際した恋人の存在を明かし、昨年の結婚した時の逆プロポーズなど、プライベートにまつわる秘話をつづっている。大胆なヌードも話題になった94年の初主演映画「愛の新世界」の演技で数々の映画賞を受賞。当時20歳になったばかりだったが、全裸でオーディションに登壇した時の心境なども、赤裸々に語っている。

 40歳を機に「特に悩み多き女性に読んでほしい」として自伝出版を決意した。わずか3週間で288ページを書き上げた。このほど取材に応じた鈴木は、20代のころの自分は「ナイフだった。触るものは何でも傷つけていた」と話した。そんな自分になったきっかけは初主演映画「愛の新世界」のヌードデビューだった。

 著書では主演女優オーディションの情景を細かく描写した。アラーキーこと写真家の荒木経惟氏に「B-20番はさっきっから本当にふてぶてしいんだよね~。どれ!

 乳首もどうせ真っ黒なんだろう」と挑発された。鈴木はむきになり、「だったら、ご自分の目で確認したらいいじゃないですか」とその場でバスローブを脱ぎ捨てた。

 「周りの女の子はイケイケで『自分の裸でチ○コたたない男はいない』なんて言ってたけど、私は硬派だったんです」。映画の演技は各方面で絶賛され、ブルーリボン賞など各映画賞の新人賞を総なめした。ところがそれ以降、ヌードシーンのある仕事ばかりが届くようになった。「私はセクシー系じゃないと思ってました」。マネジャーに反発して依頼を断り、現場で演出家にいらだちをぶつけたこともあったが、仕事の幅も広がり、最近ではドラマ「相棒」などで存在感を示している。

 著書では恋愛についても告白している。20代の時に約10年間交際した男性の存在を明かした。昨年、体調不良で入院した際、看病してくれた10歳下の俳優吉川純広(29)に思いを寄せ、退院後にほろ酔いの状態で「結婚しよっか」と逆プロポーズしたという。晩婚化が進む中、「焦らないでいいと思う。焦ってるんだったら頭を切り替えて結婚するための行動を起こせばいい」。鈴木自身は出産願望もあるという。

 今の夢は「80歳になっても女優でいること」。「ヌードの仕事がまた来たら」と聞いたら「ま~、やるけどね」と笑った。【三須一紀】

 ◆鈴木砂羽(すずき・さわ)1972年(昭47)9月20日、静岡県生まれ。94年映画「愛の新世界」で主演デビューし、ブルーリボン新人賞、キネマ旬報新人賞などを受賞。その後も「極道の妻たち」「ウォーターボーイズ」「相棒~劇場版~」「夢売るふたり」などの多数の映画に出演。11年10月に結婚。164センチ。血液型A。