アニメ「北斗の拳」のラオウ役や「魔法使いサリー」のパパ役で知られる声優の内海賢二(うつみ・けんじ、本名・健司=けんじ)さんが13日午後3時1分、がん性腹膜炎のため、東京・新宿区の病院で死去した。75歳だった。葬儀・告別式は未定。喪主は妻で声優の野村道子(のむら・みちこ、本名・内海道子=うつみ・みちこ)さん。関係者によると、内海さんは体調を崩しながらも先月まで仕事をしていたが、13日になって容体が急変したという。

 内海さんは、高校3年で地元福岡のNHK小倉放送局の専属劇団に合格し声優を始めた。その後、KBCラジオの専属声優を経て上京し63年のテレビアニメ「狼少年ケン」でアニメ声優としてデビュー。張りのある低い声と、裏腹のコミカルな演技で、63年「魔法使いサリー」のパパ、81年「Drスランプ

 アラレちゃん」の則巻千兵衛、00年「はじめの一歩」の鴨川源二など、かわいげのある大人の男性キャラを多数演じた。

 また、外国映画の吹き替えや俳優業、ナレーターとしても活躍する一方で、84年には賢プロダクションを創立。後進の育成にも尽力した業界の草分け的な大御所声優だった。