女優二階堂ふみ(19)が、慶大総合政策学部に合格したことが21日、分かった。2011年ベネチア映画祭最優秀新人賞を受賞し、今年のブルーリボン賞助演女優賞を受賞。近年の目覚ましい活躍から仕事が多忙で、高校3年での受験を断念した。映画やドラマの撮影に臨む一方で、受験勉強を地道に積み重ね、1年後に超難関の合格通知を手にした。

 二階堂が受験したのは1次で書類選考、2次で面接試験が行われるAO入試だった。高い学力はもちろん、学業以外の活動でも一定の社会的評価がなければならないなど、狭き門とされている。以前から大学進学を希望していたことから、時間をかけて超難関の慶大受験に備えた。

 高3だった12年は、第56回ブルーリボン賞助演女優賞受賞対象作となった「脳男」や「地獄でなぜ悪い」「四十九日のレシピ」の撮影に明け暮れた。受験シーズンだった昨年1月から3カ月半は、父親(浅野忠信)との禁断の愛を描く映画「私の男」(熊切和嘉監督、6月公開)の撮影に臨んだ。その後も複数の映画や連続ドラマの撮影が決まっており、現役受験を断念。学びたいことは何かをじっくり考えながらの、「1浪」を選択していた。

 その上で、志望したのが慶大総合政策学部だった。同学部は環境情報学部とともに湘南藤沢キャンパス(SFC)に設置。学部を超えて科目を履修することが可能で、授業科目は学年別に決められていないなど自由度が高い。当初は文学部志望だったが、さまざまな経験とともに学びたい幅も広がったことから、同学部を選んだという。自宅での勉強だけでは十分な時間が取れず、撮影現場にも参考書を持ち込み、休憩時間に勉強することもあった。

 女優として飛ぶ鳥落とす勢いは、今年に入っても変わらない。主演映画「ほとりの朔子」が公開され、今後は「私の男」「渇き。」の公開が控えている。今年4月から都心から離れたSFCに通学することになるが、所属事務所は「学業と女優業を両立させていきます」とコメント。いずれもセーブすることなく、力を注ぐ覚悟を決めている。

 ◆二階堂(にかいどう)ふみ

 1994年(平6)9月21日、沖縄県生まれ。「ニコラ」専属モデルとして活動後、07年日本テレビ系連続ドラマ「受験の神様」で女優デビュー。11年「神聖かまってちゃん

 ロックンロールは鳴り止まないっ」で映画初主演。映画は「ヒミズ」「悪の教典」「脳男」などに出演。12年NHK「平清盛」で大河初出演。昨年7月期日テレ系連続ドラマ「Woman」で主演・満島ひかりの義妹を好演。157センチ、血液型O。