陸上自衛隊第32普通科連隊(さいたま市)が、活動内容などを紹介する公式X(旧ツイッター)で、「大東亜戦争」という言葉を使って投稿していたことが8日、陸自などへの取材で分かった。

日本大百科全書によると、大東亜戦争は「太平洋戦争に対する当時の日本指導者層による呼称」とされる。連隊は5日「大東亜戦争最大の激戦地硫黄島において開催された日米硫黄島戦没者合同慰霊追悼顕彰式に参加しました」などと投稿した。

連隊は8日午後「大東亜戦争最大の激戦地」などの表現を削除した。防衛省陸上幕僚監部によると、連隊は激戦地だったことを表現するために当時の呼称を使用。削除理由を「本来伝えたい内容が伝わらず、誤解を招いた」と説明している。

陸幕は取材に「交流サイト(SNS)の発信は適切な表現で行うようあらためて指導していく」とコメントした。

林芳正官房長官は8日午前の記者会見で「大東亜戦争という用語は現在、一般に政府として公文書で使用していない」と説明。投稿への見解を問われ「一概に答えるのは困難だ」と述べるにとどめた。(共同)