天皇、皇后両陛下は12日、能登半島地震の被災者を見舞うため、石川県の穴水町と能登町を訪問された。発生から3カ月を過ぎてなお避難生活を強いられている人たちと面会し「大変でしたね」「頑張ってください」と励ました。能登半島地震の被災地入りは3月22日の輪島、珠洲両市に続き2度目。

両陛下は特別機で能登空港に到着し、自衛隊のヘリコプターに乗り換えて穴水町に入った。マイクロバスで町内を巡り、倒壊した家屋が残る商店街を視察した。営業中の美容院にいた住民に気付き、両陛下は立ち寄って「いつから再開されていますか」と尋ねた。

46人が身を寄せる「穴水町さわやか交流館プルート」で、いすに座る避難者の前で腰をかがめ、自宅の被害や生活状況を聞いた。米田吉朗さん(76)は懇談後、「心から心配していただいた」と涙ぐみ、妻美智江さん(76)は「元気が出ました」と語った。

両陛下はその後、臨時ヘリポートが設けられた「あすなろ広場」から、土砂崩れで10人以上が犠牲となった地区に向かって黙礼した。

能登町では、43人が避難する町立松波中で被災者と懇談した。

この日、羽田空港で特別機の機材トラブルがあり、出発が約1時間遅れた。(共同)