イスラエル政府当局者は16日、イランへの反撃を巡り「(攻撃対象は)イラン国内、もしくはイラン国外」とイスラエルメディアに述べ、イラン領内への攻撃の可能性に言及した。イランに圧力をかける形。イスラエルのネタニヤフ首相は17日、キャメロン英外相らと会談し「イスラエルは自衛のために必要なことを何でもする」と述べた。自制を求める声が相次ぐ中、自衛権を主張した。イスラエル首相府が明らかにした。

イラン国営メディアによると、同国のライシ大統領は17日、軍のパレードで演説し「イランの国土を少しでも攻撃すれば、強力に報復をする」と改めてけん制した。

米メディアによると、イスラエル政府がバイデン米政権に「(反撃は)限定的な範囲になる」と伝えたとされるが、イスラエルに隣接するシリアやレバノンを拠点とする親イラン勢力を含め、さまざまな選択肢、時期が取り沙汰されている。

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は16日の声明で、米政府が数日中にイランへ新たな制裁を科すと表明し同盟国などにも制裁の発動を要求。中東地域の防衛態勢の強化も含む「絶え間ない圧力」を加え、イランの軍事能力を封じ込めると強調した。

スナク英首相は16日、ネタニヤフ氏と電話会談し、冷静さを保つよう要求した。キャメロン氏は会談に先立ち「事態悪化を招かないよう、イスラエルが可能な限り最小限の行動を取るよう望む」と報道陣に語った。ドイツのベーアボック外相も17日、ネタニヤフ氏と会談した。

戦時内閣に加わるガンツ元国防相は16日の講演で、イスラエルは「自らが選んだ場所、時間、方法で対応する」と強調した。イスラエル軍報道官は同国中部の基地で、軍が迎撃したとするイランの弾道ミサイルの残骸を公開し「イランは無傷で済まない」と指摘した。(共同)