鳥取県境港市出身の漫画家、故・水木しげるさんの作品や戦争体験資料を展示する「水木しげる記念館」(境港市)が20日に新装オープンするのを前に、報道向け内覧会が17日開かれた。「ゲゲゲの女房」として知られる妻の武良布枝さん(92)も訪れ、遺影を手にしながら「夢のよう」と感慨深げに展示を見て回った。

新館は戦争や妖怪の展示を通して水木さんの人生を追体験できるつくりになっており、旧館で展示できなかった「ゲゲゲの鬼太郎」などの原画が目玉。案内した長女の原口尚子さん(61)は「人間水木しげるを知っていただきたい」と語った。

新館長には2009~21年に3代目館長を務めた庄司行男さん(68)が再就任。「けんかはよせ 腹が減るぞ」などの名言を紹介する展示がお気に入りで「反戦のメッセージを受け取ってほしい」と呼びかけた。

記念館は03年に開館し、老朽化に伴う建て替えで昨年3月から休館していた。市直営だったが、新装後は原画展示技術を持つ水木プロダクションが設立した一般社団法人が運営する。リニューアル総事業費は約9億円。(共同)