政府は17日、3月に日本を訪れた外国人客は推計308万1600人だったと発表した。単月で初めて300万人を突破し、過去最多となった。外国人の宿泊や買い物などの消費額(速報値)は1~3月で1兆7505億円に上り、四半期ベースで最高を記録。外国人にメリットがある円安が大きく寄与した。岸田文雄首相は観光立国推進閣僚会議で「このペースなら2024年は客数も消費額も過去最高を達成できる見通しだ」と述べた。

訪日客は都市部に集中しており、地方への誘客のほか、交通機関の混雑、ごみのポイ捨てなどで住民生活に影響が出る「オーバーツーリズム(観光公害)」が課題となっている。首相は関係閣僚に対策の強化を指示した。

政府観光局は3月の訪日客増加について、桜の開花シーズンであることや、下旬に始まったキリスト教のイースター(復活祭)休暇も要因と分析している。

これまで単月で訪日客が最も多かったのは、コロナ禍前の19年7月の299万1189人だった。年間では19年の3188万人。(共同)