小学6年と中学3年の全員を対象にした文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が18日、一斉に行われた。計約202万人が参加し、国語と算数・数学の2教科を実施。都道府県別平均正答率などの結果は7月末に公表する。

文科省の集計では、参加するのは国公私立の小学校約1万8700校の約102万人と、中学校約9700校の約100万人。私立の参加率は4割程度という。能登半島地震で被害を受けた石川県輪島市では、子どもの心のケアを優先する必要があるとして市立小中全12校が参加を見送った。文科省などによると、17日に震度6弱の地震があった愛媛県や高知県で一部学校が休校し、テストが実施できていない。

児童生徒に普段の学習状況や生活習慣を尋ねるアンケートは、今回から全てオンライン化されて学習端末を通じて答える。テスト自体は従来通り紙の問題冊子と解答用紙を使用し、2025年度から一部教科で端末を使った新方式に移行する。

全国学力テストは07年度に始まった。目的や意図に応じて自分の考えを書いたり、複数の資料から必要な情報を読み取って判断したりするのが苦手な傾向にあるとの結果分析が続いている。

文科省は「地域ごとの課題を細かく把握できる」などとして全員参加を継続している。だが、学校にとって一斉テストの負担は重く、事前対策で成績を上げようとする学校があることも問題視され「抽出調査で十分だ」との批判が絶えない。(共同)