中国で1日、労働節(メーデー)に伴う5日間の大型連休が始まった。新型コロナウイルス禍で停滞していた海外旅行は回復し、北京の空港は混雑。円安の影響で日本は渡航先の人気トップとなった。交流サイト(SNS)には中国人が日本でブランド品を「爆買い」する動画が相次いで投稿された。

国家移民管理局は連休中の1日当たりの出入国者数は昨年より40%増の平均延べ176万人と予測。中国オンライン旅行大手、携程集団(トリップドットコム・グループ)の調査結果によると、海外旅行先の人気は日本が首位で、タイや韓国、マレーシアが続いた。

記録的な円安は中国メディアも連日報道。SNSに投稿された「爆買い」動画は「円安でブランド品が中国より大幅に安い」と紹介し、多数のアクセスを獲得している。

北京首都国際空港では1日、国際線のチェックインカウンターに長蛇の列ができた。羽田行きの便の搭乗手続きをした30代の男性会社員は「海外ブランド品をお得に買うつもりだ」と声を弾ませた。50代女性も「日本の名所で食べ歩きをしたい」と話した。

昨年8月の東京電力福島第1原発処理水の海洋放出直後は訪日旅行に一部キャンセルが発生したが影響は限定的で、日系航空会社の関係者は「日本旅行はコロナ禍による低迷から復調しつつある」と手応えを語った。

連休中、中国国内では北京や上海など大都市を中心に行楽地で大勢の人出が予想される。国営通信新華社によると、鉄道は4月29日~5月6日に連休向けの輸送態勢を敷き、1日当たりの平均旅客数を延べ1800万人、期間全体では延べ約1億4000万人を見込む。(共同)