東京都の小池百合子知事は25日の会見で、自身が任命した特別秘書2人の給与を一転、公開した理由を問われ、「副知事、顧問については公開してきたが、特別秘書は項目がなかった。ここに加えて、今回公開することにした」と述べ、自主的な判断との認識を示した。

 都は、個人情報に当たるとして公開していなかったが23日に公開した。特別秘書の給与を情報開示しないのは違法として、ジャーナリストが都に非開示処分の取り消しを求める訴訟を、今月17日に東京地裁に起こしており、訴訟の影響で公開を余儀なくされたとの見方も出ている。

 小池氏は会見で、「基本的には(情報開示しなかったのは)個人情報の分野もあるが、2人が賛同してくれたこともあり、都民の皆様にお知らせするため、自主的に公開したということだ」と強調。

 その上で「これまでも情報公開に資する、都民に知らせるべきものについては、公開につとめてきた。今後、都政、都議会の両面からの情報公開が、さらに加速する。都民には、知り得るチャンネルが増えると思う」と述べた。

 小池氏の特別秘書は、「都民ファーストの会」代表も務める野田数氏と、元読売新聞記者の宮地美陽子氏で、いずれも昨年8月に就任。都は、2人の給与は月額で70万6000円、期末手当などを合わせた年収は、約1400万円になるとしている。