田中真紀子元外相(73)が18日、文化放送「斉藤一美ニュースワイド SAKIDORI!」に出演し、自公圧勝の見通しが伝えられる選挙情勢について「大変危惧している。自民党の人たちを当選させてはならない。国民にしっぺ返しが来ますよ」と警鐘を鳴らした。

 田中氏は、「自民党から出ている人は、安倍さんを黙認し、問題を黙殺してきた。石破茂さんがどうとか言うが手を挙げなかった。小泉進次郎さんもルックスだけ。かつて本当に真剣だった自民党とは議員の質があまりに違う」と、党内部から安倍氏を止める議員がいない自民党の現状を批判。全国で出馬している今の自民党候補について「仮面はがしたら全部安倍さんなんですよ」と持論を展開した。

 自民圧勝の勢いの背景について、自衛隊日報問題で防衛相を辞任しながら優勢が伝えられる稲田朋美氏(58)を例に挙げ「テレビの時代ですから、『このメガネ、テレビで見た人。中身は分かんないけど。でも、うちの玄関に来て頭下げた』となると、親しみを感じちゃうのが日本人。だから自民党が圧勝なんですよ。日本人は情緒に流されず、自分の貴重な一票をよく考えてほしい」と話した。

 希望の党の小池百合子代表(65)については、「情報をこざかしく頭に入れ、断片的につなぐのは上手。横文字を使って、何かというと『選挙の結果見てからね。うっふん』。気持ち悪い」とぶった切った。希望の党への合流を決めた民進党の前原誠司氏(55)については「あの人は野党の安倍晋三と言われてきた。学歴は京大で、グッドルッキングなのも違う。でももっとも違うのは、政治センスのなさ。ホストクラブならもてると思うが、いい人だけに残念」と話した。

 一方、立憲民主党を立ち上げた枝野幸男代表(53)については「立派だと思います。法に従って政治を進める。一番やっていないのが安倍さんですから。もう、ぜひ勝ってほしい」と応援した。

 田中氏は出演後、日刊スポーツなどの取材に答え、選挙前、民進党や自民党など「あらゆる政党から」(田中氏)出馬要請があったと明かした。田中氏の息子には前原氏から出馬要請があったというが、息子も「一から立ち上げた会社の従業員が一生懸命やってくれている時に出馬はできない」と断ったという。娘にも打診があったが、擁立は実現しなかった。不出馬の理由について、田中氏は「こんな濁流のような政治状態では」と説明した。

 田中氏はこの日、番組の中で小選挙区の選挙制度自体が「おかしい」とし、「選挙制度を変えるような政党を選ばないといけない。作りたいと思います」とも発言した。しかし、今後の新党立ち上げや政界復帰の可能性について問うと「知らない、知らない」と、笑顔でけむに巻いてみせた。