希望の党の「失速」を招いた、小池百合子氏(65=東京都知事)の「排除」発言。先月29日の党代表会見で引き出したのは、小池氏の「天敵」とされるフリー記者だった。

 記者は原発政策に関する質問が多く、問い詰めるような聞き方もあり、指名機会は減り、今回は半年ぶりだったという。会見は、新党立ち上げ表明の4日後。小池氏の衆院選出馬や希望の躍進が現実味を帯びて、小池氏が勢いに乗っていたタイミングだった。

 当時、周囲は小池氏に高揚感を感じていた。圧勝した都知事選や都議選の再来もあり得る-。普段は指名しない記者をあえて指したのは、気持ちが大きくなっていた側面もあったのではないか。

 質問で引用された、「(民進党議員は)公認申請すれば排除されない」という前原誠司氏の言葉に反応し、「排除されないということはございません。排除いたします」と発言。すぐ「絞らせていただく」と言い直したが、戦略を持って言葉を発する小池氏らしくない対応だった。【中山知子】