幕末から明治の大阪で活躍した「なにわ四条派」を紹介する企画展「なにわ風情を満喫しませう―大坂四条派の系譜」が24日、東大阪市の大阪商業大学商業史博物館で始まった。西山芳園、完瑛親子を中心に約60点の作品や史料を展示し、床の間映えのする「はんなり」とした絵画表現にスポットを当てる。同博物館の明尾圭造主席学芸員は「なにわ商家の床の間を彩った多くの掛軸が、大坂四条派の作品であったことは意外に知られていない。近世近代の大坂画壇を考える上で、これら四条派の作品群は重要な意味合いを持つ」と話す。完瑛の「大坂名所十二景」など当時の大阪の代表的な風景が上品に描かれた作品を堪能できる。

 展覧会は2期で構成。前期が11月8日まで、後期が同10日から25日まで。休館日は日曜・祝日と11月9日。11月3日と23日は開館する。午前10時から午後4時半。入場無料。

 また展覧会と連動した連続講座(全2回)を、同大学で開催する。11月4日午後2時から「なにわ四条派の系譜」と題し、明尾主任学芸員が講師を務める。また同11日午後2時から「大坂風景画を読み解く」と題し、笠岡市立竹喬美術館の柴田就平学芸員が登壇する。定員50人で料金は1000円。

 また11月18日にはシンポジウム「なにわ風情を再考する―大坂四条派の系譜―」を、4月にオープンした新校舎「ユニバーシティ・コモンズリアクト」で開催。14時からの第1部では関西大の中谷伸生教授が基調講演を行い、第2部では、料亭「花外楼」女将の徳光正子氏や圓井雅選堂の圓井愼一郎氏を迎えたパネルディスカッションを行う。定員100人で入場無料。

 詳細は同大学公式サイト(http://ouc.daishodai.ac.jp/museum/)を参照。