安倍晋三首相(63)は1日、召集された第195特別国会で、第98代首相に選出された。全閣僚を再任した上で同日夜、第4次安倍内閣を発足させた。第4次まで組閣した内閣は戦前を含めても伊藤博文、吉田茂に次ぎ、まだ3人。首相は会見で「一心不乱に政策を進めて、結果を出す。(衆院選圧勝の)責任の重さを胸に刻み、謙虚な姿勢で真摯(しんし)な政権運営に当たりたい」と強調した。

 野党共闘の不発で、安倍自民は衆院選を圧勝。「安倍1強」は続くが、自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長(36)は取材に、1強という「自民安泰ムード」にキツく、くぎを刺した。

 野党は、首相の森友&加計学園問題を今国会でも追及する。衆院選時から、丁寧な説明を首相に求めていた進次郎氏は「厳しい声は、誰より総理自身が感じていると思う」とした上で、「自民の議席数(284)が国民の信頼を物語っているかといえば、必ずしもそう思わない。国民の思いと議席には大きなギャップがある」と分析。「野党がボタンの掛け違えさえしなければ、次の選挙で政権交代は起きる。議席数は(選挙前と)同じでも、自民党にもたらされた緊張感は今までより大きい」と述べた。

 国会会期は当初、8日までだったが、実質審議を求めた野党に与党が譲歩し、12月9日までの39日間に。首相の所信表明演説は17日で調整され、野党は代表質問や委員会質疑を通じ、首相の政治姿勢や森友&加計問題をただす。自民党は、野党の追及回避もにらみ、与党の質問時間増加を求めるが、進次郎氏は、国会改革の必要性に触れた上で「野党の質問時間の確保は当然だ。野党の言葉には耳を傾けるべきものもある」と指摘した。【中山知子】