東京都の小池百合子知事は20日、都と築地市場(中央区)の業界団体でつくる「新市場建設協議会」が、豊洲市場(江東区)の開場日を来年10月11日に正式に決めたことを受けて都庁で会見し、「1度立ち止まることで、さまざまな点検もできた。(開場は遅れたが)私は必要な時間だったと思う」と述べた。

 当初の開場予定は昨年11月7日で、小池氏の都知事就任前に決まっていた。小池氏が都知事就任後の昨年8月31日、安全性への疑問などから「1度立ち止まりたい」として、移転の延期を発表した。

 その後、豊洲市場の地下空間の一部で、土壌汚染対策のための盛り土がないことなどが表面化。豊洲の用地取得に関する経緯など「そもそも論」までが、あらためて議論の対象に浮上しするなど、紆余(うよ)曲折が続いた。

 結局、当初の予定より約2年近くも遅れて、予定通りの豊洲移転が行われることになり、小池氏の「立ち止まる」判断には批判が出ている。一方、小池氏は「開場後に(問題が)明るみに出たことを考えると、むしろ混乱を防げた」と述べ、立ち止まった判断は正しかったとする認識を強調した。

 「年内に開場(時期が)決定し、1つの節目ができた」とも述べた。