“三顧の礼”で3種のメダルを獲得-。平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)スピードスケートで金、銀、銅と3つのメダルを獲得した高木美帆(23)が五輪前、故郷北海道幕別町の札内神社に年末年始、3日連続で参拝していたことが22日、分かった。幼少期から毎年参拝し、巫女(みこ)を務めたこともあるパワースポットのエネルギーが、スケート史を大きく変える快挙に導いた。

 高木家が大みそかと元日に参拝するのは恒例行事で、岩崎寿宣宮司(53)は「毎年いらっしゃってます」と言う。今回も大みそかと元日の初詣に家族5人そろって訪れたが、五輪イヤーとあって、もう1日、追加した。東京への移動日だった1月2日、帯広空港に向かう途中、父愛徳さん、兄大輔さん、姉菜那と4人で参拝。異例の“願掛け3回”で日本女子初の3色メダルを獲得した。

 お守りも大量購入した。「ご家族で1万円ぐらい購入されていました」と同神社。五輪に魔物はつきもの。どんなに練習を重ねても力を発揮できない選手は多い。高木美は10年バンクーバー五輪1000メートルで最下位、14年ソチは代表漏れ。雪辱に燃える今大会は、地元の“神力”をたっぷり注入し、魔物を振り払った。

 同神社では高木美の1500メートル銀、1000メートル銅、団体追い抜き金を祝福し、社務所入り口に3つの大きな張り紙を掲出。岩崎宮司は「ここまで苦労してきたことも知っているので、感無量です」と喜んでいた。【永野高輔】

 ◆札内(さつない)神社 1898年(明31)建立で、今年で120年を迎える。祭神は大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)、大己貴大神(おおなむちのおおかみ)、少彦名大神(すくなひこなのおおかみ)。住所は北海道幕別町札内文京町。1本道路を挟んだ向かい側に、高木菜那、美帆姉妹が通った幕別札内中学校がある。