森友学園の国有地売却をめぐり、近畿財務局で学園の案件に関わった男性職員が、7日に死亡していたことが9日、分かった。遺書が残されており、自殺とみられる。訃報が公になった後、財務省による決裁文書書き換え疑惑のキーマン、佐川宣寿国税庁長官(60)が、理財局長時代の対応などを理由に電撃辞任した。

 国税庁長官を辞任した佐川氏は9日夜、財務省で報道陣の取材に応じ「今回処分を受けたことや確定申告期間中の辞職となったことにおわび申し上げる」と謝罪した。佐川氏が取材に応じたのは、昨年7月に長官に就任してから初めて。

 きっかけとして「国会で大きな議論になっている決裁文書の提出時の担当局長だった責任」と説明。文書管理について「(当時は)一生懸命やっていたが、今思えば反省すべき点があったと思う」と対応についての反省を口にした。

 文書の「書き換えを指示したのか」との問いには「捜査を受けているところ。差し控えたい」と明言を避けた。「忖度(そんたく)があったか」と問われ「どういう意味でしょうか」と問いただす場面もあった。

 辞任の申し出は「今日の朝に次官を通じて」と説明。7日に近畿財務局の職員が死亡していたことが同日明らかになったことについては「今日のニュースで知った」と強調。「心からご冥福をお祈りしたい」と述べた。職員の死への責任を問われても「どなたがお亡くなりになったかも承知しておりませんので」とコメントを控えた。

 硬い表情を崩さなかったが、今後の人生について問われると少し表情を緩め「今日辞任を決めた。何も考えていない」と語った。