財務省は10日、森友学園への国有地売却に関する決裁文書に、書き換えがあったと認める方針を固めた。当初の記述を削除した例が複数判明。明日12日に調査結果を国会に報告し、関係者も処分する。公文書の“改ざん”に財務省が関与した事態は重く、麻生太郎財務相の引責は避けられない見通しだ。ただ今回の問題は、安倍晋三首相や昭恵夫人と学園の関係が発端。首相の説明責任を求める声も強まるとみられ、無敵だった「安倍1強」体制も、重大局面を迎えつつある。

 安倍首相は決裁文書の書き換え疑惑に関し、視察先の福島県で「文書(書き換え)の有無を明らかにするため全力を挙げなくてはならない」と述べた。麻生氏の責任については「財務省を挙げて取り組んでほしい」と正面から答えなかった。公明党の山口那津男代表は「政治的責任を負う中、説明責任を果たしてほしい」と麻生氏の政治責任に言及。自民党内では、近財職員の自殺が分かった8日以降、問題の風向きが変わったと懸念が拡大している。