野党は10日、加計学園の獣医学部新設計画に関し、当時の首相秘書官が「本件は首相案件」と述べたとする文書が表面化したことを受け、「首相の進退に関わる重大な疑惑だ」(共産党の小池晃氏)として、首相の退陣を求めて追及を強める姿勢を示した。財務省の文書改ざん、防衛省の日報隠蔽(いんぺい)に続き、「文書砲」が次々明らかになる異常事態。立憲民主党の辻元清美氏は「噴水のように問題が噴き出す。官邸は今や、『疑惑の館』だ」と皮肉まじりに述べた。

 野党6党は、内閣府などへのヒアリングで「愛媛県の情報で真相が明るみに出た。国はどこまで隠すのか」「首相に忖度(そんたく)しまくり、隠しまくっている」と批判。内閣府の担当者は「確認したい」の一点張りだった。財務省、自衛隊の問題と違い、首相の責任に直結する「総理案件」そのもので、深刻さは計り知れない。希望の党の今井雅人氏は「これ以上、安倍さんを守る必要はない」と、官僚に呼び掛けた。